人工いくら作成大作戦!

今回はいくらもどきを作ってみました。

 

動画


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・準備物

塩化カルシウムCaCl₂ 1g、プラスチックカップ 2個、割りばし、アルギン酸ナトリウムNaC₆H₇O₆ 0.2g(薬さじ大半量)、食紅、キッチンペーパー

 

・操作手順

1.塩化カルシウムをプラスチックカップに入れ、水を加えて全量を100mlとする。さらにそれを割りばしを用いて完全に溶かしきる。使った割りばしは再度使用しない。

 

2.アルギン酸ナトリウムを別のプラスチックカップに入れ、水を加えて全量を10mlとする。よく溶かしたら食紅を加えて着色する。

 

3.1.で用いた物とは別の割りばしを用いて、塩化カルシウム水溶液に1滴ずつ滴下していく。

 

4.固まったカプセルをキッチンペーパー上に取り出して観察する。

 

・注意

  • 液体が混ざると固まるので、割りばしは使いまわさない。
  • 綺麗な球にならない場合はアルギン酸ナトリウムに水を加えて粘度を調整、または滴下する高さを調節する。
  • 出来上がったものは食べない。

 

アルギン酸ナトリウムは分子内のカルボキシ基(ーCOOH)の水素がナトリウムに交換されたもので、水に溶けて粘性を示す。このカルボキシ基の部分はマグネシウムイオン Mg²⁺やカルシウムイオン Ca²⁺のような多価イオンとも強く結合し、水に不溶なゲルを作る。そのため内部は液体に、外は硬くなる。

生成される膜は動植物の細胞のように、水分子やイオンのような小さな粒子の出入りが可能な半透性を示し、そのため内部に大きな粒子を閉じ込めると外部との浸透圧が生じ、内部に水が入り込んで『膨潤状態』となる。カプセルの壁のゲルと内部のゾルから成ると言える。

ちなみにアルギン酸ナトリウムは主に昆布などから採取される自然素材である。アルギン酸ナトリウムはβ-D-マンヌロン酸をα-L-グルロン酸が一定の割合で結合する多糖類の一種である。この二つは第六炭素に結合するカルボキシ基の立体配置だけが異なる光学異性体の関係である。コピー食品に用いられる事もある。

 

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都留文科大学理科教育の一環

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