浮沈子で釣りゲーム! アルキメデスの原理 パスカルの原理

今回は浮沈子を作成して釣りゲームをしてみました。

 

動画


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・準備物

魚たれ容器 2個、六角ナット 2個、水道水、500mlビーカー、ペットボトル(炭酸飲料のものが良い)、プラのおもちゃ(リング型。今回はプラチューン8個使用)、針金 2本、雑巾

 

・操作

  1. 魚たれ容器に針金を巻き付け、釣りが出来るように針金の先を曲げる。(巻き数は自由だが少ないと針が長く大きくなるので多めに巻くとよい。ただしナットが付けられるように巻いた針金の上に更に巻き付けるイメージ。また、巻くコツは、針金の5分の1程度のところから巻き、余った針金を手で押さえながら巻くと、針金が回転せずに巻きやすい。)
  2. 500mlビーカーに水道水を入れ、魚たれ容器内に水を入れる。(今回は1つは、口を下にした際、背びれの下くらいのものが一つ、もう一つは同じものから4滴水を抜いたもの。もう少し抜いてもよいかも。)
  3. ナットを逆向きにして魚たれ容器に取り付け、500mlビーカーに浮かべてみてしっかりと浮くか確かめる。(ナットは平らな面が外、口側には来ないように。浮かない場合は内部の水の量を調整。)
  4. ペットボトル内に水を満タンまで満たし、中にプラチューンと魚たれ容器2個を入れて蓋をする。(水がこぼれる恐れがあるので、雑巾を近くに置いておく。)
  5. ペットボトルを押したり手を離したりして浮き沈みを確認し、その後釣りゲームをする。

 

・注意点

  • 針金が硬いものであると巻く際にけがをする可能性がある。そのため柔らかいものを使用するか、軍手をすると安全である。
  • 実験終了後、浮沈子を抜く際は水を捨てる前に行うとよい。水を捨てきってしまうと抜きにくくなってしまう。

 

浮き沈みをしている浮沈子だが、物体が液体に対して浮いたり沈んだりする場合には物体の重量と浮力のバランスが取れている状態であると考える。初めの浮いているときは重量<浮力の関係が成り立っている。しかしペットボトルを押すことで浮沈子内の体積(空気)が減り(空気の圧縮)、浮力が小さくなる。浮沈子の重量は変化しないので、重量>浮力の関係が成り立ち沈んでいく。

 

ペットボトルを押すと、加えた圧力が液全体に広がるといったパスカルの原理が浮き沈みの原因の一つになっている。パスカルの原理とは、流体が密閉容器の中に入れられていて、容器のある面に圧力をかけた時、静止状態であらゆる地点の圧力は等しくなるというもの。この場合は、ペットボトルを押すことによって圧力が加えられ、中の魚容器にも等しい圧力がかかると言える。

 

また、もう一つの原因にアルキメデスの原理がある。それは、流体の中で静止している物体は、それが押しのけた流体の重さだけ軽くなる、つまり浮力を受けるというもの。

圧力をかけることをやめると浮沈子の体積が大きくなり(内部の空気が収縮から解放されて膨張する)、物体の押しのける流体の量が増えるので浮き上がるというもの。

 

加圧と減圧による浮沈子内の空気の収縮膨張が、2つの原理が関係しつつ浮き沈みにつながる。

 

ちなみに圧力をかけると浮く逆浮沈子の作成も可能。圧力をかけた時、浮沈子の容器がつぶれるのではなく膨らむようすれば内部の体積が大きくなり、浮き上がる。使用する容器によって違った浮沈子が楽しめる。

 

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都留文科大学理科教育の一環

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