ドライアイスを使った実験大集合!

今回はドライアイスを使った実験にトライしてみました。

(※素手で握ったり数秒持っていると低温火傷に。注意が必要。軍手等でドライアイスを扱うこと。)

 

【1. ドライアイス中和装置】


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ドライアイスが消化して生じた二酸化炭素が酸として働くので、加えた指示薬の色が変化する。初めはアルカリに調整してあるので指示薬はアルカリを示す色を呈するが、ドライアイスを投入することで中和され、その過程で色が変化していく。最終的に放置しておけば、溶液は酸性になる。動画内左は紫キャベツ色素を加え、右はフェノールフタレイン溶液を加えている。使用したアルカリは水酸化ナトリウム。BTB溶液(青→緑→黄)を使用することも面白い。メチルオレンジを加えておいて、ドライアイスを投入すると色づく演示も面白そうであるが、出来るかは未検証。参考までに。

 

【2. ドライアイスを容器内に閉じ込めると…】


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容器内でドライアイスが昇華し二酸化炭素が溜まっていき爆発する。大きな音を伴ってドライアイスが飛び出すことがあるので注意。フィルムケースを使用し、蓋が飛ばないようにひもで繋ぎガムテープで固定しておく。そうしないと蓋が飛んで目等に衝突する可能性がある。使用するドライアイスは小片で十分であり、小片が飛び散ることから安全メガネ等確実な安全対策を行う必要がある。また、ドライアイスの大きさによっては爆発までの時間に差がある他、小さすぎると不発の可能性もあるので最大限の注意が必要。安易に行わないこと。ポリ袋の中にドライアイスを入れ、中の空気を抜いて口を固く縛る方法もある。

 

【3. ドライアイスホッケー】


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表面から激しく二酸化炭素が昇華しているため摩擦が小さくなる。ホバークラフト効果が大きくなる。

 

【4. ドライアイスでコインがダンス?!】


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ドライアイス表面で激しい昇華が起こっており、発生する二酸化炭素の圧力で硬貨が振動する。硬貨の金属面が不規則にドライアイスに衝突することで金属音が聞こえる。ドライアイスと硬貨が触れ合う面で特に昇華が進む。硬貨は使用していると冷えて、熱移動が完全に起こって冷え切ってしまうと動きが止まるので、硬貨は何枚か用意するとよい。また、使用する前に手のひら等で温めておくとよい。熱伝導率の高い銅等のものを使用するとよい。硬貨を立たせる際は力強く押し込むと立ちやすく、すぐに手を離すといった2つのコツがある。スプーンを乗せたり押し付けたりするほか、スプーンの上にドライアイスを乗せて音を鳴らす方法がある。

 

【5. ドライアイスで寒剤】


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使用した無水エタノール150ml。-80℃に近い低温を有する寒剤になる。とても低温なので、マヨネーズやはちみつが凍って、乾麺やガラスのような見た目に固まる。

 

【6. シャボン玉が浮く】


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二酸化炭素は空気より重いので水槽下部に溜まる。シャボン内は二酸化炭素より軽い空気なので、重い二酸化炭素の上に乗るような形となり、浮いているように見える。

 

【7. ドライアイスの灯火】


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導火線方式では上手く火が付かなかったので、テルミット反応の時のようにマグネシウムリボンをセットすると上手くいった。マグネシウムリボンの先を切っておくとよい。直接点火しないのは、反応が爆発的に起こるので危険なため。導火線のようにマグネシウムリボンをセットしているとき等板の間に隙間があるのは、ドライアイスの板を被せた際、爆発した空気が抜けるための穴。酸化マグネシウムが飛び散るので注意。加熱をしてもドライアイスはなかなか溶けず、ブタンガスが燃えて水と二酸化炭素が生成、ドライアイス上で踊る。放置すると水滴は凍る。灯火のように赤くなると、赤外線による温かさを感じる。空気が無くても燃焼が続くのはドライアイス二酸化炭素内の酸素が使われるため。燃焼終了後、酸化マグネシウムが生成されるほか、二酸化炭素分子内の酸素が使われることで炭素が還元され、炭素の単体(黒色)が生成してくる。

 

【8. ドライアイスで火を消す】


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二酸化炭素は空気より重く、ろうそくにかけることで酸素が遮断され火が消える。今回は下から火が消えるバージョン。下のろうそくから酸素が遮断され火が消えていく。工作用紙裏側では、ドライアイスをお湯や水を加えて昇華を促している。

 

ドライアイス二酸化炭素の個体。無極性の分子結晶であるので、分子同士が引き合う力が弱く、昇華しやすい物質である。昇華温度は約-79℃、液体にならないので扱い易く、保冷剤としても使われる。二酸化炭素の分子量は44なので、同量の空気が入ったポリ袋を用意して重さを比べると、重い感覚をわずかに得られることから、二酸化炭素の方が空気よりも重いということが実感できる。

また、ドライアイスは水と反応して、弱い酸性を示す。そのため水溶液をなめてみると少し酸味を感じることが出来る。

水にドライアイスを入れ、さらに飴等を加えると即席サイダーが完成する。とても面白いが、口にドライアイスが触れて低温火傷をしないよう、ストローで吸うことを推奨。

監督官をしていただいている先生のブログ(らくらく理科教室)はこちら→らくらく理科教室 (sciyoji.site)

 

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都留文科大学理科教育の一環

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