今回は、レンズの単元で扱われる像を工作で体験してみました。
動画(※動画は都留文科大学理科教育法の模擬授業の一部)
・準備物
工作用紙 1枚、型紙(動画内冒頭参照、全てcm) 1枚、フレネルレンズ 1枚、トレーシングペーパー(9㎝×9㎝) 1枚、セロハンテープ、のり、はさみ、カッター、カッターマット
・操作手順
- 型紙を切り取り、レンズを取り付ける部分をカッターで切り抜く。その後、のりを用いて工作用紙に、切り取った2つの型紙を工作用紙に張り付ける。(※カッターマットを使用すること)
- 型紙を張り付けた工作用紙を切り取る。また、レンズの部分はカッターで切り取る。(※カッターマットを使用すること)
- 折り目にカッターを軽く入れて、折り目に沿ってレンズのつかない方の箱を組み立てる。(※切り離さないように注意)
- レンズを取り付けない箱に、トレーシングペーパーをテープを用いて取り付ける。余分な部分は織り込むとよい。(※箱の辺に合わせてトレーシングペーパーをあらかじめ折ってから取り付けるとよい。)
- 丸く切り抜いたところにレンズをテープを用いて取り付ける。(※レンズ表面がツルツルしている方が上になるように取り付ける)
- レンズが付いている方の箱を組み立てる。のりしろは箱の外側にすべて出しながら作ること。接着はテープ。
- レンズが付いている箱の中に、トレーシングペーパーの面からもう片方の箱を中に入れて動かし、中をのぞきながらピントを合わせる。
・留意点
- カッターを使う際はマットを敷き、ケガに注意する。
- のりしろが内側か外側かをしっかりと確認する。
- 箱を合体させる際、トレーシングペーパーが破れないように注意する。
レンズは扱いやすいプラスチック製なので、安価に取り組めるのが良い。中をのぞいて見える像(見える景色)は、上下左右が逆になっている。また、トレーシングペーパーとレンズの感覚を広げたり狭めたりすることで像の大きさや鮮明さが変化する。
箱の大きさは1mm差を出しているが、2mmだと少し緩くなってしまい、ピントを合わせて固定させる事が難しい。然し操作性は良いためオススメではある。
上下左右が逆な像は実像という。焦点と呼ばれる点より物体が外側(焦点距離の2倍の位置に物体・光源があると、光源と同じ大きさの実像ができる)にあることでこの現象が起こる。上下左右が逆ではあるものの、物体本来の姿が確認できる。(今回物体は景色。上下左右が逆ではあるが、レンズをのぞかずに外を見た時と見え方は大きく変わらないということ。)
【実像の作図】
箱を押し込む(トレーシングペーパーとレンズの距離を近づける)と、景色が拡大されるように見えるのだが、あれは虚像と呼ばれる。像の向きは物体本来と同じだが、大きさに違いがある。これは、物体が焦点よりも内側にあることで起こる現象である。
【虚像の作図】
1/f=1/a+1/b
【f→焦点の距離、位置 a→凸レンズ中心から光源までの距離 b→凸レンズ中心からスクリーン(トレーシングペーパー)までの距離】
焦点はこの式から求めることが出来る。
まとめると、
- 焦点よりも外側に物体(光源)があるときは、像は上下左右が逆の実像が見える。物体が凸レンズから遠いほど、実像は物体とは反対側の焦点の近くに出来る。
- 焦点よりも内側に物体(光源)があるときは、像は大きく見える虚像が見える。ただし、上下左右が逆ではない。
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※都留文科大学理科教育の一環