ブンブンごまで遠心分離!

今回はブンブンごまを用いて遠心分離を行ってみました。

 

動画

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・準備物

工作用紙、はさみ、鉛筆、カッター、カッターマット、コンパス、タコ糸(太) 1ⅿ、ガムテープ、補強用割りばし 1膳、分離セル(たれビンボトル) 2個、トマトジュース(薄めて使用する)、ビーカー、ピペット、竹割りばし 2膳、軍手、保護メガネ

 

・操作手順

  1. 工作用紙にコンパスを用いて、半径5㎝の円を2枚分描き、切り取る。
  2. たれビンを置いて、窓を着ける位置を決める。(遠心分離した様子を観察するための窓)どちらか片方の円形の紙に、縦1㎝、横2.5㎝ののぞき窓を鉛筆を用いて下書きし、カッターで切り取る。窓は2つ作る。(※カッターマット使用。中心により過ぎないこと。)
  3. 円の中心から0.5㎝のところに穴を、コンパスの針を用いて左右に1つずつの計2か所空ける。窓の横に穴を空けるイメージ。円形の用紙の2つともにも穴を空ける。穴を空けたら鉛筆で穴を広げてひもが通るようにする。(円形の紙に穴2カ所×2セット)

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  4. 割りばしを小さめに切りとる。1膳で、計8パーツ切り出せればよい。(※硬いので破片が飛ばないように注意。)
  5. 円形の紙に空けた2穴の中心に割りばしの破片をガムテープで取り付ける。(1つの円に2パーツ揃えて取り付ける。回転させると穴が広がるので、それを抑えるための補強パーツ的な存在)

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  6. ひもを穴に通す。
  7. 水で希釈したトマトジュースをたれビンにいっぱいに満たす。
  8. 窓にたれビンをガムテープで固定する。飛んでいかないように側面を補強しつつ、窓をふさがないようにする。
  9. 2つの円を、間にたれビンを挟む形でガムテープで張り合わせる。(※回転時、本体が壊れないようにしっかり張り合わせる。また、液体の様子を観察するために窓が外側からのぞけるようにして置かなければならないので注意)
  10. ひもの両端に竹割りばしを結んで取り付ける。型結びしつつ、ガムテープで更に固定してもよい。
  11. 軍手と保護メガネを着用して、ブンブンごまを回す要領で回転させる。慣れてきたら横に、引く方向を縦にしてみる。目標は100回程度。
  12. 窓から液体の様子を観察。変化が見にくい場合は更に回転させる。

 

・留意点

  • 高速回転するため、補強や接合が甘いと壊れて装置の部品が飛び散り怪我をする恐れがある。特に保護メガネは必ず着用し、眼部の保護を行う。
  • ブンブンごまを上手く回すにはコツがいる。

 

軽く回転させてひもがねじれた状態で引っ張ると、そのまま慣性で回転を続ける。①力を緩めると、円はひものたるみが許す限りまで回転する。しかし、ひもが巻ききってしまっても、円の慣性による回転のエネルギーが残る。その結果、②ひもの伸縮の弾みにより反転が起こる。そこでまた少し力を入れてひもを引き、回転の勢いが増したところで力を緩めると、の動作が繰り返される。加える力とひもの長さによってはかなりの高速回転が生じ、大きなうなり音を伴う。

 

回転運動によって生じる向心力と反対方向に働く遠心力を利用したものが遠心分離である。穴が広がらないように割りばしで補強したが、あれは向心力の影響を受けるために穴が広がる。密度の大きな成分ほど円運動の外側の壁に押さえつけ、成分を分離する。これは、血液成分を分離し、目的別にそれらを利用するため等に用いられている。

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しかし、混合物は分離するが、溶けているものを分離することは出来ない。例えばトマトジュースやドレッシング、ジュースなどは可能だが、シロップなどは分離できない。あくまでできることは、【液体に混ざっている固体を液体と分離する】なので、【液体に溶けている成分を分離する】ではないことに注意。分離された様子から、どの成分が密度が大きいか小さいかが推測できる。今回の場合は、水は上部に、下部にはトマトの果肉等があることから、トマトの果肉の方が水よりも密度が大きいと言えるだろう。

 

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都留文科大学理科教育の一環

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