CD分光器

今回はCDを用いて分光器を作成してみました。

 

動画

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作成ガイド動画

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・準備物

CD(1/8カットしたもの)、工作用紙(箱作成時に使用。使う大きさは別図参照)、テープ、カッター、カッターマット、はさみ

 

・操作手順

  1. 工作用紙を下図のように切り出す。また、切り取り部分をカッターとカッターマットを用いて切り取った後、テープで組み立てる。ここで箱本体と蓋が完成。(左:蓋、右:箱本体)f:id:VCPteam:20220228181419j:image
  2. CDを1/8の大きさにはさみでカットする。その後、箱のCD取り付け部分にテープでCDを取り付ける。CDが斜めになるようになれば良い。(※破片が飛び散る可能性があるので注意)
  3. 蓋をした後、窓部分をのぞき込んで観察する。

・留意点

  • CDをカットするときは破片の飛び散りが起きる可能性があるので注意すること。保護メガネは勿論のこと、軍手を使用するとよい。
  • 観察をする際は、光源(特に太陽は危険!)に蓋の入光口を向けない。失明の恐れがある。明るい部屋であれば十分に観察が可能。
  • 分光器を上下させれば見える色が変わる。様々な色の観察が可能。

 

・分光器とは

 分光器とは、光を波長毎に分けて、波長毎の光強度を測定する装置である。分光の方法には大きく分けて二つあり、①プリズムによる分光、②回折格子による分光がある。

 プリズムによる分光は経験した人も多いのではないだろうか。①の方法は、波長毎に屈折率が異なることを利用して分光する。波長が短い青色の光は屈折率が高いので大きく曲がる。一方、波長が長い赤色の光は屈折率が低いので曲がり方は小さい。

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・今回の原理

 今回は②の原理を用いている(レプリカグレーティングなど)。通常は光をスリットに通し、光の回折と干渉から光のスペクトルをスクリーンなどに映す。しかし今回は反射を用いている。CDには小さなでっぱりがあり、そのでっぱりは光を反射しない。一方でっぱっていない部分は光を反射するので、そのでっぱりの間隔によって光が干渉し合い、光強度の増減が起こる結果分光することが出来る。また、でっぱりの間隔が狭くなるほど光が広がる角度が大きくなる(分散度が高くなる)ので、分解能は高くなる。ちなみにCDのでっぱりの間隔は1.6μⅿである。

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式としては、

ⅿλ=d│sin α - sin β │

(d:でっぱりの間隔【反射した位置の差】、λ:光の波長、α:入射角、β:反射角) 

この光路差が波長の整数倍(ⅿ=1、2...)なら光は強め合い、整数倍より半波長ずれている(ⅿ=1+1/2、2+1/2...)と光は弱め合う。この干渉によって光を波長によって分けることが出来る。dが小さいほど入射角や反射角を変化させて計算の調整ができる。

 以下、回折と反射の用語解説。

 

回折:光は波の性質を持つが、スリットなど狭い所や小さな穴を抜けると球面波に変化する。光の進行方向が変化すること。これにより、穴を通した光は同心円状の縞模様となる。その縞模様は光の明暗からなる。

干渉:光は波の性質を持つ。2つの波があると仮定して、その波が同じ位相であるほどお互いの波が重なった時に強め合い、波が大きくなる。一方、位相が逆の場合は打ち消し合って波の大きさが小さくなり、振幅が0になる場合もある。波が他の波と出会ったとき、強め合ったり弱め合ったりすること。

 

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都留文科大学理科教育の一環

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