線香花火を作ってみよう!

今回は線香花火を作ってみました。(⚠取り扱い注意の実験です。

 

動画

youtu.be

 

・準備物【黒色火薬の材料】

硝酸カリウム 1g、硫黄 0.15g、炭素粉末(松煙) 0.4g、鉄粉末 0.6g、ティッシュペーパー、水、大きめのトレーやバケツ、薬包紙、薬さじ(ステンレス製は避ける)、ビーカー、はさみ、軍手、ピンセット

硝酸カリウム:硫黄:炭素粉末:鉄=10:1.5:4:6の割合)

【全体量2.15gになるが、数回に分けて使用】

 

・操作手順

  1. 硝酸カリウムを乳鉢に加えて乳棒で細かくすり潰す。その後、薬さじでビーカーに移す。
  2. 硫黄を乳鉢に加えて乳棒で細かくすり潰す。その後、薬さじでビーカーに移す。(※同じ操作が繰り返されるが、できれば毎回新しい乳鉢と乳棒を用いる方が安全。使いまわすと乳棒ですり潰す際、火薬が爆発する恐れがある。今回のような少量の場合は注意は必要なものの、使いまわしてよい)
  3. 炭素粉末(松煙)を乳鉢に加えて乳棒で細かくすり潰す。その後、薬さじでビーカーに移す。
  4. 鉄粉末を乳鉢に加えて乳棒で細かくすり潰す。その後、薬さじでビーカーに移す。
  5. ビーカーを揺らして優しく振り混ぜ、4つの試薬を混ぜる。(※圧力などの刺激(棒で混ぜる等)を加えると発火する恐れがあるため)
  6. ティッシュペーパーを1枚とり、横幅2㎝程度になるように切り取る(大体縦幅は、切って調整しなくとも15㎝になっている)。さらに、切り取ったティッシュペーパーを剥ぐ。(※ティッシュペーパー1枚は、薄い2枚が重なっているので、半分取って薄い1枚を今回は使う)f:id:VCPteam:20220329173311p:image
  7. 薄いティッシュペーパー中央辺りを半分に折って、手を軽く湿らせた後持ち手部部にする箇所をこよる。f:id:VCPteam:20220329173323p:imagef:id:VCPteam:20220329173330p:image
  8. こよっていない部分を半分に折って溝を作る。そして、その溝に薬さじ(小部分で1杯分)で黒色火薬を均等に散らす。(※着火部分が必要なので、端から1/3の範囲にのみ黒色火薬を散らす)f:id:VCPteam:20220329173339p:image
  9. 黒色火薬を包むようにティッシュペーパーを2度折り、着火部分を抑えながらさらに全体をこよって細くする。(※ティッシュペーパーが薄いので、こよる際に破れないように注意)f:id:VCPteam:20220329173354p:imagef:id:VCPteam:20220329173401p:image
  10. 水の張ったトレーやバケツを用意する。軍手を着用し、ピンセットで手持ち部分を持った後、水面上で着火部分に火を点けて様子を観察する。終了後はそのままトレー等に入れて消火する。f:id:VCPteam:20220329173407p:image

留意点

  • 法令の認める範囲内(指導できる人・環境下など)でのみ実施すること。火薬類の調合は、火薬取締法等によって厳しく禁止・制限が定められており、一般人は基本的に実施することはできない。
  • 通常の防災への配慮よりも十分な注意をすること。特に、眼鏡保護、十分な換気、砂地や水を張った容器上など防災への配慮をしておくこと。
  • 着火すると、手持ち部分まで燃えてしまうことがあるため、手で直接持つことは避ける。また、手持ち部分を少し余計に湿らせておくとよいかもしれない。
  • ティッシュペーパーを薄い状態で使用するので、破れて中身が出てしまう場合があるので注意。また、観察中に酸化鉄が飛び散ることもあり得るので、実験後は掃除必須。

原理

 端に点火すると最初は激しく燃えるが、次第に火の勢いが落ち着き、火球ができて細かい火花が飛びちるのが観察できる。線香花火がつくる特徴的な火球については、複雑な反応が同時に起こっていると考えられている。主な反応としては、硝酸カリウム KNO3 と炭素Cが反応して炭酸カリウム K2COが生成、そこに硫黄が加わってやや複雑な硫化物(KxSy:多硫化カリウムと考えられる)ができる。線香花火の特徴でもある火球は、この多硫化物が融けている状態で、火球から出る細やかな炎ですが、鉄(融点約1530℃)が外部に飛び出して酸化燃焼する際の軌跡だと考えられる。

 

監督官をしていただいている先生のブログ(らくらく理科教室)はこちららくらく理科教室 (sciyoji.site)

 

先生のYouTubeチャンネルはこちらかららくらく科学実験 - YouTube

 

都留文科大学理科教育の一環