うがい薬で時計反応?

今回は、うがい薬で実験をしてみました。

 

 

 

動画

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準備物

うがい薬(有効ヨウ素100mlあたり7mg含有)、ビタミンC入り飲料(今回はキレートレモン【100mlあたりビタミンC800mgほど】とチョコラBBスパークリング使用。ビタミンCが多いとよい)、ストロー(直径8㎜のもの) 7本、プラカップ 3つ、オキシドールデンプンのり

 

操作手順

  1. 水をプラカップに半分ほど注ぎ、うがい薬を入れる。この際、ストローで時折かき混ぜながら、色が濃くなって変わらない程度まで入れておくと色の変化が分かりやすい。ストローはそのままカップに入れておく。
  2. ストローをスポイト替わりにし、ビタミンC入り飲料を極少量加えた後、カップに入れてあるストローでゆっくりとかき混ぜてみる。
  3. プラカップに水とでんぷんのりを加えてよくかき混ぜ、デンプン溶液を作る。
  4. デンプン溶液を、ビタミンC入り飲料の入ったうがい薬溶液に適量ストローで入れる。
  5. ストローを用いてオキシドールをさらに加えた後、様子を観察する。(※濃度やビタミンC量等によって変化時間が異なるので注意)

留意点

  • ストローを多用するので、別の溶液に使用したストローと混在させないようにする。
  • デンプン溶液は、のりが溶けにくいので、ある程度溶け残りが出る。デンプン溶液を加える際は、溶け残りをなるべく入れないようにすること。
  • 加える溶液(特にビタミンC入り飲料)は透明な方が、色の観察がしやすい。
  • 溶液の廃棄時には、つまり等に注意して適切に処理する。
  • 飲むことはせずに必ず廃棄すること。

原理

①溶液が透明になる理由

 ビタミンCが関係している。ビタミンC(アスコルビン酸 C₆H₈O₆)は、酸化されやすい有機酸で、酸化防止剤として使われることもある。酸化しやすい→還元力が高い還元剤ともいえるため、その性質を利用して溶液を還元する。また、あらかじめ濃度が分かっている酸化剤(ヨウ素など)を用いると、ビタミンCがどれほど含まれているか滴定することが可能。

 ビタミンC(アスコルビン酸 C₆H₈O₆)が、ヨウ素(褐色)を還元して脱色する、

C₆H₈O₆ + I₂ → C₆H₈O₆ + 2HI

 反応後、デヒドロアスコルビン酸(C₆H₈O₆)とヨウ化水素(2HI:透明)が生成する。結果、溶液が透明になっていく。

 

②透明な溶液に再び色が付く

 オキシドールを加えると、時間が経過すれば溶液に色が戻ってくる。これは、先ほど還元されたヨウ素が再び現れるからである。ヨウ化水素(HI)が過酸化水素(H₂O₂)によって酸化され、ヨウ素が生成する。反応式は、

H₂O₂ + 2HI → 2H₂O + I₂

そのため、デンプンを加えなくとも色は呈すると思われる。デンプンを入れた理由は、ヨウ素デンプン反応を見せるためとはっきりとした色を出して観察をしやすくするため。そのため、はじめのうがい薬と色を比べると、青っぽくなっている。これは、デンプンにヨウ素が反応している。また、色が呈する時間はオキシドールの量や濃度で変化させることが可能。ビタミンCの濃度調整でも可能であると思われる。

 

 酸化還元反応で色の変化を観察することが出来る。おそらく、ビタミンCの濃度によっては色が消える反応が色が出る反応を阻害して時間がかかる可能性がある。反応は同時に起きていると思われるので、実際にはより複雑な事象が起きていると思われる。

 

 ビタミンC飲料やオキシドールの濃度調整や量調整、デンプンのありなしによる色の変化、別の酸化剤や還元剤を用いても実験は上手くいくのか等を実験・データ収集及び解析を行うと、自由研究として扱えるかもしれない。

 

時計反応に関する記事

vcpteam.hatenablog.com

 

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都留文科大学理科教育の一環

 

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