今回は、葉緑体の光の扱いについて観察してみました。
動画
・準備物
CD分光器(作り方→CD分光器 - VCPteam’s blog (hatenablog.com))、ほうれん草から抽出した葉緑体溶液(抽出方法→葉緑体が赤く光る?! - VCPteam’s blog (hatenablog.com))、試験管、ブラックライト
・操作手順
- CD分光器の色が観察できる角度や照度を見つける。
- CD分光器の光の入る窓に葉緑体溶液入り試験管を添えたり外したりして、分光器の色の変化を見てみる。
- 葉緑体溶液入り試験管にブラックライトやLEDライトを当てて様子を観察する。
・留意点
- 葉緑体を濃く抽出すると様子が観察しにくくなる。そのため今回は、抽出レシピより早く引き上げている。赤い蛍光を観察する場合には、濃く抽出した方が良いと思われる。
- 無水エタノールを用いるため、引火には十分に注意し、濡れ雑巾の用意など火災に対する用意もしておく。
- ライトを直接見ない他、入光口に強い光源を直接向けないこと。
原理
赤い蛍光の詳しい解説についてはこちらの記事参照
今回は、葉緑体が光に及ぼす影響を観察した。葉緑体は緑に見えることから緑色の光を反射し、赤や青色の光を吸収している(クロロフィル)。それならば、葉緑体を入光口に当てた際、吸収される赤や青色の光の線は観察できなくなるはずである。しかし実際は青色のみしか消えない。
これは、葉緑体が光合成を行えずにエネルギーを放出する際に赤く蛍光するが、その光がCD面に反射して赤色の光が減衰していないように見えていると思われる。また、緑は透過してきた光が反射されるので減衰しない。一方、青色は葉緑体に光合成を行うために吸収されるので減衰し、観察できなくなると思われる。
試験管を近づけると光の見える形が変わるが、これは試験管の曲面で光が屈折等を起こして形が変形していると思われる。
このCD分光器を今回のように用いれば、光を透過するといった条件が必要ではあるが、その物体にどの光が吸収されているか、どの光が反射されているかを観察できるかもしれない。また、他の方法としては、観察したい物体に白色光を当て、物体が反射する光をCD分光器で観察すると上手くいくかもしれない。
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※都留文科大学理科教育の一環