今回は、コヒーラ検波器を作成してみました。
動画
・準備物【並列回路を作らないバージョン】
プラカップ、100均LED、アルミホイル、ワニ口クリップ 2本、電池ボックス(ボックス自体にオンオフスイッチが存在するものを使用した)、単三電池、圧電素子装置(ライターからガスを抜いたもの)
・操作手順
- アルミホイルをちぎっては丸め、アルミホイル球を数十個作成する。また、それをプラカップに入れる。さらに、アルミホイルを折って接点を2つ作り、アルミホイル球に触れるようにプラコップ側面に取り付ける。
- 下図のように回路を作成し、電池ボックスのスイッチをオンにする。
- 圧電素子を近づけて起動し、LEDの点灯の様子を観察する。
- プラカップを軽く叩いたり揺らしたりした時のLEDの様子と、再び圧電素子を用いた時の様子を観察する。
- 【発展】LEDをさらに、ワニ口クリップを用いて回路に並列に組み込んだ後、上記操作3.~5.に取り組んでみる。
・留意点
- 接触が悪いとLEDが点灯しない場合がある。その為、アルミホイル球の数は多い方が良い他、LEDが点灯しなければカップを揺らしてアルミホイル球の位置を変えてみる。
- 発展で使用するLEDは時間経過で色が変わるもの。色による定格電圧の違いにより電流量が変化するので、並列に繋いだ単色LEDの明るさが変化する。
原理
電磁波のエネルギによりアルミニウム表面の酸化被膜(酸化アルミニウム:導電性なし)が溶かされる。アルミ球どうしが接触している部分で電気が流れるようになるため、電波で電流を制御できるという考えに基づく装置。現代のリモコン技術に通じる発明とされている。
電磁波が金属粉末に到達する際に、そのエネルギーによって金属表面の抵抗が著しく低下して電気が流れやすくなるという現象を利用した装置。アルミニウム表面の酸化被膜である酸化アルミニウム Al2O3 は、導電性はないが、電磁波のエネルギーによって局在的に熱が発生する。すると、アルミニウム表面が溶けて、アルミニウム単体 Al がむき出しになって電気が流れやすくなるというものだ。金属粉末や球体を用いた場合、接触している部分がわずかであるため、この現象がより顕著に起こると考えられる。
この発見は、1890年、金属粉末の電気伝導性を研究していたエドアール・ブランリーによるもので、直後にオリバー・ロッジがこれを検波器に応用したことで、その後の無線技術の向上に大きく貢献することとなった。コヒーラという名称は、当初、この現象が高周波により電極と金属粉末同士が「密着する」(cohere)からだと考えられたことによる。この電磁波によって電流を制御できるという考えは、現代のリモートコントロール技術につながる大発明となった。なお、リモートコントロールについては、かのニコラ・テスラが、1898年に無線操縦の特許を取得し、ニューヨークで無線操縦の船舶模型を実演したという記録が残っているとか…
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※都留文科大学理科教育の一環