【概要】
土壌に生息する微生物の呼吸を観察し、生息に適した土壌の条件を調べる。
動画
準備物
ろ紙片(1㎝辺の正方形)×観察する場所分、針金(曲げやすいもの。10㎝程度あればよい)×観察する場所分、ピンセット、シャーレ、フェノールフタレイン溶液、集気びん(透明な容器であればなんでもよい)
操作手順
- シャーレにフェノールフタレイン溶液(0.01M水酸化ナトリウムにフェノールフタレインを入れる)を適量だし、そこへ切ったろ紙片をピンセットを用いて浸す。
- 針金を円を描くようにばね上に数回巻き、余った部分は縦にして、調べたい土壌に差し立てる。
- ピンセットを用いてフェノールフタレイン溶液に浸したろ紙片を、針金に挟み込む。
- 風で飛ばされないように集気びんを被せた後、色の変化が出るまでの時間を計測する。
留意点
- アルカリを用いるので、扱いには注意すること。また、浸したろ紙片をシャーレに浸して持ち歩くことが不安な場合は、トレーやラップの上に移して運ぶこと。
- フェノールフタレイン溶液に浸したろ紙片の色が薄い場合は、水酸化ナトリウムを追加する。色が濃い方が、色の変化に時間がかかる分、変化をはっきりと観察することができる。
解説
土壌には多くの微生物や土壌動物が生息している。それらが呼吸をする際には、CO₂が発生する。そのCO₂がフェノールフタレイン溶液を浸したろ紙片に溶け込むことで、中和が起こり段々と酸性寄りになっていく。そのため、フェノールフタレインの変色域からpHが外れてしまい、色が薄くなっていくというわけである。水酸化ナトリウムの濃度、ろ紙片にしみ込ませた溶液の量を正確に定めておけば、単位時間当たりにどれだけの呼吸が行われているのかを測定することも出来る。