今回は蛍光灯を静電気を用いて光らせてみました。
動画
・準備物
塩ビ管、布(今回はレーヨンのものを使用。ティッシュペーパーでもよい)、蛍光灯、軍手
・操作手順
- 塩ビ管を布で擦り帯電させる。
- 蛍光灯の端子部分に帯電している塩ビ管を近づける。
・留意点
- 明るい部屋では観察が難しい。部屋を十分に暗くした状態で行うとよい。
- 軍手をすることで、塩ビ管を直接触ってアースしてしまうことを防ぐことが出来る。
- 塩ビ管や布以外にも使用できるものはあるが、帯電列に差があるものを用いるほど良い。
仕組みとしては、塩ビ管を擦ると、塩ビ管は負に帯電する。その状態で蛍光灯の端子に塩ビ管を近づけると、電子が蛍光灯へと移動していく。
蛍光灯の中にはアルゴンや水銀が入っており、更に内部に蛍光物質が塗られている。
蛍光灯内部に移動してきた電子は、内部の水銀原子(Hg)に衝突する。その結果、水銀原子は励起状態となる。励起状態は不安定であるので、安定した状態(基底状態)に戻ろうと、余分なエネルギーを放出する。今回は、その余分なエネルギーを『紫外線』として放出する。
放出された紫外線が内壁の蛍光物質に当たることで発光し、蛍光灯は光るというわけである。
ちなみに、なぜ水銀を用いているのか。①水銀は常温で液体なので、蒸気になりやすく、比較的蛍光管内に浮遊させやすい。②金属なので電子との親和性が高くもあり、電子離れもしやすい。③原子量が大きく重いため、電子の衝突時にエネルギーの高い波長域の紫外線を発生しやすい。との理由から水銀が用いていると思われる。しかし、水銀は有毒な為、条約等により、水銀不使用のLEDに移行が進められているのだとか。
・帯電列
どのような物質が正に帯電しやすいのか、また負に帯電しやすいのかを知ることが出来るもの。列の端に行くほど、正か負に帯電しやすいことを示す。また、帯電列に示される2つの物質が離れているほど大きな静電気が発生する。そのため、多くの静電気を得たい場合は、帯電列を参考に、正に帯電しやすい物質の端の物質と、負に帯電しやすい物質の端の物質を用いるとよい。
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※都留文科大学理科教育の一環