今回は酸素と水素を用いて単体から化合物をつくる実験をしてみました。
動画
ビニールチューブ内に水素と酸素を2:1の割合で注入し、圧電放電装置(電子ライターの点火装置部分)で一気に反応させる。単体から化合物が生成することを演示できる実験モデルで、化学反応によって音や光が出るといったエネルギーについての理解も深めることが出来る。
・操作
1.チューブを用意し、水素と酸素を2:1の割合でチューブ内に注入する。
2.チューブ内の空気を水素と酸素の混合気体を注入することによって押し出しつつ、混合気体が7~8割入れ切った時点でチューブの片方に栓をし、しっかりと栓を抑えておく。注入していた側もチューブを折って混合気体を閉じ込めつつ空気の侵入を防ぐ。
3.注入側から圧電放電装置を差し込み、栓をした側を抑えたままにして(栓が飛んでいく可能性があるので、栓をおさえたままポケットに入れると安全)点火する。
混合気体の注入にはディスポーザブル注射器を用いると正確に測りとれる。使わない時は先端を水につけておくとよい。
爆鳴器は酸素と可燃性のガスを適当な割合で混合させて点火をすると、爆発的な燃焼が起こる。着火することで発熱反応が起き、その熱が反応を持続させる。
【簡単に行える、低コスト簡易版爆鳴器】
・準備物
魚型のたれ容器 1個、クリップ 2本(安全ピンを刺す方が簡単なので、安全ピンを使うことを推奨)、ミョウバン水溶液(硫酸ナトリウムの方が反応が早い…)、9v電池、バッテリースナップ、ワニ口クリップ 2本、50mlビーカー、ろうそく(背の低いもの)、ろうそくを置く用の耐熱皿、ライター
・操作(動画とは違って安全ピン用のレシピ。ただ、操作のほとんどは動画と同様。)
- 魚容器の尾びれの付け根からピンを差し込み、容器口の真横からピンを突き出す。(安全のためにテープなどで先端をカバーするとよい。)
- ミョウバン水溶液を魚容器で吸い上げ、ビーカーに入れたまま電池とワニ口クリップ、ピンを接続して電気分解を行う。
- 容器内の溶液がほとんど減ったら電気分解を終了する。
- ろうそくに火を点け、魚容器を勢いよく押して中の気体を火に飛ばす。
・留意点
- ミョウバンは金属を錆びさせてしまうので、手についたらむやみに周りを触らず、手を拭いたり洗ったりする。
- ろうそくの火は実験直前につける。
こちらも参考に→魚容器で_ミニ爆発 - YouTube
監督官をしていただいている先生のブログ(らくらく理科教室)はこちら→らくらく理科教室 (sciyoji.site)
先生のYouTubeチャンネルはこちらから→らくらく科学実験 - YouTube
※都留文科大学理科教育の一環
本テーマは、科学と教育「身近なもので簡単にできる化学実験」の中で、開成中・高校の宮本一弘先生がご紹介されている実験テーマをほぼそのまま実践したものです。
♦参考文献
宮本一弘『簡単にできる水の電気分解』、化学と教育、67巻10号、2019、p470~471