【概要】昆虫を直接触れずに観察できる標本を作製し、生態や体のつくりの観察を行う。
動画
準備物
プラカップ、にぼし、スコップ、ビン、エタノール、虫ピン(まち針などでも)、発泡スチロール板、プラ容器(今回はアイスの容器)、レジン(透明度の高いもの)、ラップや新聞紙、やすり(目が細かいもの)
操作手順
- プラカップににぼしを入れ、地面に穴を掘り、プラコップを埋める。(※プラコップの中は埋めない)
- 数日放置したのち、プラコップを回収し、中の虫を水でよく洗う。(※放置するほど臭いが強くなるので注意)
- ビンにエタノールを満たし、その中に標本にする虫を入れる。
- 数日放置した後、虫を発泡スチロール板上に、虫ピンで羽や足を広げて固定する。固定の仕方は標本にしたい姿を作り、その形が崩れないように(足が閉じる、羽が下がる等)節などの近くに針を刺して閉じないようにして放置し、数日乾燥させる。(※節に直接刺さないこと)
- プラ容器の半分以下にレジンを入れ、半凝固するまで待つ。(※気泡が残らないように、固まる前に潰したり抜いたりするときれいに仕上がる。半凝固を待つのは虫を置いた時に固定が出来るため。)
- 半凝固したら、乾燥し姿勢が固定された虫を静かに乗せて、さらに上からレジンを優しくかけ、閉じ込める。その後、容器にラップや新聞紙などで蓋をしてゴミが入らないようにし、固まるまで放置する。
- レジンが固まったら、容器から取り出す。(※取り出しにくい場合は容器を切って取り出すのもよい。とりだしたもののばりで手を切らないように注意)
- 取り出したものをやすりで磨き、観察しやすいようにする。
解説
直接虫に触れなくても、全体の観察ができる標本づくりを紹介した。時間はかかるものの、一度作れば半永久的に保存がきくため便利である。レジンを全体的に薄くすれば、より観察がしやすい標本になるかもしれない。また、腹部に針を刺して乾燥させれば、レジンがなくとも針を持って全身を見ることのできる標本が作れるだろう。