進め!ポンポン蒸気船

今回は、教材開発の一環として蒸気船の作成を行った。

 

動画


進め!ポンポン蒸気船

 

・準備物

アルミパイプ(20~30cm)、船体となる発泡スチロール、カメラフィルムケース、ろうそく、きり、ペンチ、ライター、スポイト(パイプ内に水を満たせるものなら何でもよい)、船を浮かべる用の桶等

 

・操作

  1. カメラフィルムケースにアルミパイプを巻きつける。力強く巻くと折れたりパイプがつぶれるので注意。
  2. 輪を少し広げる。これは、パイプの両端をろうそくで加熱する際効率よく加熱が出来るようにするため。(ろうそくを2つ使うので、2つのろうそくを並べても火があたるようにパイプの直径を広げる必要がある。)その後、パイプ端を90度に曲げる。
  3. 船体は直径10㎝の発泡スチロールを用意した。中心から左右に2.5㎝の地点に穴を空けて、作ったパイプを付ける。ろうそくを入れられるだけの高さを発泡スチロールとの間に作るが、ろうそくの火の大きさ(高さ)が不明なため、調整が出来るように初めは高めにセットしておくとよい。
  4. 噴射口となる箇所をペンチで90度に折り曲げる。余分な箇所は金属疲労を用いてカットする。(折り曲げ時、パイプを同じ方向に向ければ直進に、今回のように逆向きにすれば回転する形となる)
  5. パイプ内に水を入れ、ろうそくをセットすれば、火をつけて観察開始。

・原理

パイプ内に入れた水が加熱されることによって水蒸気となる。水蒸気になると体積が1700倍に急激に膨らむので、ポンプ内の水を勢いよく外に押し出す。これが推進力(進む力)になる。水を出すとパイプ内が減圧され、また水蒸気がパイプ出口付近(噴射口付近)で冷やされ水に戻ることで減圧され、外から水がパイプ内に流入し、再びその水が加熱されて水蒸気に…の繰り返しによって継続的に動くことが出来る。ちなみに、水がパイプ内に流入するとき船が引き戻されないのは、膨張した蒸気が押し出す水の速度が、水が流入する速度よりも速いからである(運動量が大きい)。パイプをコイル状に曲げるのは、加熱をして一度により沢山の水蒸気を発生させるために、多くの水を加熱するためである。今回回転が止まってしまっているのは、両噴射口から同時に水が噴射されたためである。パイプの長さや太さ等によって差が出るため、再び回転運動が継続される。

 

教材としての位置づけは、蒸気による産業革命に貢献したワットやフルトンの科学史や、『液体』『気体』『固体』に水が変化することを学ぶために生かせるのではと考える。

 

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都留文科大学理科教育の一環

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