ゴムからスーパーボール作り!
今回はラテックスゴムを用いてスーパーボールを作ってみました。
動画
・準備物
ラテックスゴム 10ml、クエン酸 薬さじ一杯分(レモンでもOK)、割りばし、カップ、水 100ml
・操作手順
・留意点
- 予想以上によく跳ねるので、周りに倒れて割れるものが無いかを確認し安全を確保する。
- ゴムにはゴミ等が付く可能性がある。
天然ゴム液で知られるラテックスゴム液は、親水コロイドとして水溶液中に分散して安定している。そこに電解質や酸などが加わると、コロイドの安定が失われ、ゲル化して軟らかい固体の生ゴムが得られる。→塩析
イソプレン(C5H8)が重合して、両端で長くつながったポリイソプレンの構造をしている。化合物の骨格の一部に二重結合があり、原子の並び方にアソビ(回転や歪み)があるために伸び縮みしやすいものと考えられる。イソプレンゴム分子の骨格部分は、・・・-C=C-C-C-C=C-C-・・・という長い鎖がつらなる構造である。
【構造図】
生成した生ゴムは、分子間での物理的結合(絡みつき)だけで固まっているので、そのままでは形状を保つ事ができず、実用にならない。そこで、工業的には、硫黄を添加するという方法(加硫)が取られている。加硫により、ゴム分子間に硫黄の架橋ができ網目状構造になっているので、形状保持ができるのである。しかし、二重結合部分は、空気中の酸化(劣化)されやすいので、パラフィンを練りこむなどの処理も行われている。ゴム製品の表面が白くなっていることがあるが、これはパラフィンが染み出てきている状態である。
【架橋の図】
ゴムノキは、厚く大きく、光沢を放つ葉を持つ観葉植物としても知られている。ラテックスは、熱帯地方で栽培されるゴムノキから直接採取した乳液で、インドネシアやタイ、マレーシアなどから大量に輸入されている。木に切れ込みを入れる際は、斜めに入れるが、これはラテックスが流れやすく採取しやすくするためである。これらは、燃やしても有害ガスがほとんど発生せず、地中に埋めても特定の微生物の働きで分解されるので、エコな素材と言える。現地では、ゴムノキは計画的に植林・伐採されており、家具などへ有効にリサイクル活用されている。
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※都留文科大学理科教育の一環