パイナップルでゼラチンを溶かす! 【自由研究向け】

今回はパイナップルでゼラチンを溶かしてみました。

 

動画

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・準備物

ゼラチン 5g、熱湯 250ml、計量カップ、攪拌棒、タッパー(平らな容器なら何でもよい)、生パイナップル(今回はスーパーで売られているカットされたものを使用)、缶詰パイン、ラップ、シャーレ、耐熱容器

 

・操作手順

  1. 計量カップで熱湯250mlを量りとり、タッパーにゼラチンと共に入れて、攪拌棒でよくかき混ぜる。その後粗熱をとってから冷蔵庫で2~3時間程よくよく冷やす。
  2. 耐熱容器に生パイナップル、缶詰パイナップルを入れて水を加え、電子レンジで加熱する。(※煮るイメージだが、過加熱注意。様子を見て追加加熱をする)
  3. ラップで生パイナップルと缶詰パイナップルを包み、冷凍庫で凍らせる。(※分からなくならないようにマーカーなどで区別用の目印をつけるとよい)
  4. 加熱したパイナップル、冷凍したパイナップル、何もしていないパイナップルを全て同じ常温になるまで放置、解凍する。(※生パイナップル、缶詰パイナップルの両方この操作が必要。対照実験のため)
  5. 固まったゼラチンを切り分け、シャーレに移し、その上にパイナップルを乗せて様子を観察する。(※パイナップルの区別をつけるために、下になんのパイナップルなのかを書いた紙を敷いておくとよい。)

・留意点

  • パイナップルを加熱する際は、鍋を用いて湯で煮てもよい。また、焼くといった加熱でもよいが、見た目が大きく変わる恐れがあるのでオススメはしない。
  • 電子レンジで加熱する際は必ず様子を見ながら行う。場合によっては沸騰して電子レンジ内を大きく汚す可能性がある。

 

  パイナップルには、ブロメラインと呼ばれるたんぱく質を分解する酵素(タンパク質分解酵素)が含まれている。一方ゼラチンは、動物性たんぱく質から出来ているので、酵素が作用しゼラチンを溶かす。

 しかし、加熱処理されるとその酵素の働きが失われるため、加熱処理を施される缶詰のパイナップルではゼラチンが解かせなかった。また、電子レンジで加熱・煮たものもゼラチンを溶かせなかったのはそのためである。

 酵素の働きが活性化するのは約60℃といわれているが、今回の実験でその温度に設定すると、ゼラチンが室温で溶けてしまう可能性があるので、パイナップルのタンパク質分解酵素の効果なのか確かめられなくなるので注意。一方、冷凍しても酵素の効果が失われることは無いため、加熱処理されていない冷凍パイナップルを実験に用いることも可能とみられる。

 ゼラチンが溶けているとしっかり分かるにはかなりの時間を要する。そのため、放置する場合は、生ものなので冷蔵庫など涼しい場所に移動させておくとよい。

 ちなみに、タンパク質分解酵素の働きを利用して、肉をパイナップル果汁につけたり、パイナップルと一緒に調理して、肉を柔らかくさせる方法がある。

 

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都留文科大学理科教育の一環

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