【概要】
塩素酸カリウムの熱分解と、炎色反応の観察を行う。
動画(※取扱注意の実験)
準備物
塩素酸カリウム(KCIO₃) 少量、薬方皿、試験管、試験管ばさみ、マッチ棒、ピンセット、軍手、コンロ
操作手順
- 薬方皿に塩素酸カリウムを少量とる。
- 試験管に塩素酸カリウムを入れ、軍手をした後、試験管ばさみを用いてコンロで加熱する。
- 塩素酸カリウムが溶けたら火から離し、ピンセットを用いてマッチの木片を試験管内へ入れて軽く揺らす。
- 反応が見られなくなったら再び少し加熱して、木片を加える。
留意点
- 塩素酸カリウム (KClO₃)は、強力な酸化剤であり爆発の製造にも用いられる物質であるため、取り扱いには十分に注意が必要である。特に、学校では演示実験のみで、使用量も少量にとどめることが望ましい。
- 使用した試験管は、高温の反応により劣化している可能性があるので、再利用せずに廃棄する。
- 高温の反応のため、必ず軍手をし濡れ雑巾を用意して注意しながら操作する。
解説
塩素酸カリウム(KClO₃)粉末結晶を加熱すると、融解(融点356℃)が始まり、次第に熱分解反応も進行していく。
2KClO3 → 2KCl + 3O2↑
そこにマッチの木部を折ったものを投入すると、まばゆい光を発して激し燃焼反応が起こる。塩素酸カリウム(KClO₃)の熱分解反応によって酸素が生成し、木片自身も十分に温度が高くなっている(高温の液体内に入れるので温められる)ので、加熱を停止しても反応が継続していく。なお、燃焼ではカリウムの赤紫色の炎色も観察でき、カリウム自身も燃焼反応の触媒として働くとされている。
また、反応後の試験管を見てみると、グラデーションのように壁面が汚れている。白い結晶が付いている部分(試験管中央あたり)は、塩化カリウムが付着している。一方、上部では木片の炭素(恐らく不完全燃焼による)が付着している。
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※都留文科大学理科教育の一環