今回は、アルミニウムが磁石にくっつくか試してみました。
動画
・準備物【1円玉が磁石にくっつくか】
1円玉、棒磁石、ネオジム磁石 11個(多いほど良い)
・操作手順【1円玉が磁石にくっつくか】
- 1円玉を机に置き、棒磁石をくっつけて1円玉を引き上げてみる。
- ネオジム磁石で1.と同じ操作を行い、様子の違いを観察する。
・準備物【1円玉ペットボトル装置】
1円玉 2枚、ストロー(直径8㎜、長さ220㎜) 1本、釘(長さ17㎜の小さいもの) 1本、強力両面テープ、ペットボトル、水、ネオジム磁石 11個(多いほど良い)
・操作手順【1円玉ペットボトル装置】
- ペットボトルに水を入れて転倒を防ぐ。
- ペットボトルの蓋に両面テープを張り付け、その上に釘を取り付ける。また、あまり動かないかを確認する。
- ストローの中心に穴を空け、ストローの端から1/3程度にまで、両端に切れ込みを入れる。
- 切れ込みに1円玉を挟み込み、穴に釘を通してストローが水平になるか確認する。バランスが悪い場合は1円玉を切り込みに合わせてスライドさせてバランスをとる。
- ネオジム磁石を重ねた後、1円玉にネオジム磁石を十分に近づけてからゆっくりと磁石を1円玉から遠ざけて様子を観察する。
装置の作り方はこちらの記事でも紹介(※釘ではなく針を用いているが操作はほぼ同じ)
原理
アルミニウムを含む1円玉だが、棒磁石では反応を示さないものの、ネオジム磁石では反応を見せた。一体どういうことなのか。
アルミニウムは常磁性体である。常磁性体とは、外部磁場が無い時は磁性を持たない性質で、外部磁場があるとわずかに磁化され外部磁場に引き寄せられる。しかし、外部磁場が強力でないと磁化されないので、反磁性体と似ている。
常磁性体は外部磁場が無い時は、下図のように磁石分子の様なものがあり、それらが不揃いで時には打ち消し合って全体として磁気を帯びていないように見える。しかし、強い外部磁場が作用すると磁石分子の向きが一方方向に揃うので、全体として外部磁場と同じ向きに磁気を帯びる。ただし、弱く磁化される他、外部磁場が無ければ磁気は無くなる。
このような作用があるために1円玉はネオジム磁石に反応したというわけである。通常磁石にくっつくものは強磁性と言われるが、温度が上がると常磁性を示す。この温度をキュリー温度(キュリー点)と呼ぶ
キュリー点の解説記事
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