【概要】
BTB溶液の性質を確認する。
動画
準備物(※BTB溶液の調整に関しては省略)
筆、BTB溶液、バット、紙(安めの和紙などがよさそう)、手袋、㏗10標準液、ビーカー、新聞紙
操作手順
- バットにBTB溶液を出し、手袋をしてから紙を入れて良く浸してしみ込ませる。
- 新聞紙を敷き、その上に紙を置いてよく乾かす。
- 筆に㏗10標準液をつけて、好きな絵を乾いた紙に描く。(※標準液の使用量はかなり少なくて良い。)
- 【応用】フェノールフタレインを紙にしみ込ませると、違った色がでるので面白い。(※動画内の化学ゼミの文字はフェノールフタレインを使用したもの)
留意点
- BTB溶液はあらかじめ調整しておくとよい。今回生成したBTB溶液は、量が多い上に濃くなってしまったため、水で10倍に希釈して使用した。
- 手につくとなかなか色がとれないので注意する。
- 標準液を使用したがアンモニアでも上手くいった。ただし臭いがあるので非推奨。重曹では色が出にくかったが、紙との相性もあるらしく研究が必要。
- 標準液の㏗を変えれば他の色も出せるので試してみたいが、試薬の扱いには注意する。
解説
①BTB溶液とは
BTB溶液とは、ブロモチモールブルーを溶かした試薬。中性付近の弱酸や塩基の検出に用いられる。 生物分野ではでスライドを染色する際に使用されることもある。この場合、青色の水溶液としてサンプルに数滴加え、細胞壁や核を青色に染める。他には植物の光合成や呼吸の観察のための実験として、中性のBTB溶液へ息を吹き込むというものがある。リトマス紙よりも鋭敏に㏗を測定でき、酸性下では黄色に、中性付近では緑色、アルカリ性下では青色に変化する。
②BTB溶液の生成
作り方には様々な方法がある。ここには、今回の手順を簡潔に示しておく。
- ブロモチモールブルーをエタノールに溶かす。
- 更に水を加えた後、水酸化ナトリウム水溶液を駒込ピペットを用いて少しずつを加え、ガラス棒で撹拌しながら㏗を調整し緑色にする。(※アルカリ性に偏った場合は酸を加えればよいが、それを繰り返していると量が増えてしまうので少しずつ水酸化ナトリウム水溶液を滴下するとよい)
- 濃い場合は使用時に更に水で希釈し色味を薄くさせる。色が偏った場合は水酸化ナトリウム水溶液を加えて調整する。
絵を描くと、段々と色味が薄れていくが、最終的には色が残って安定する。然し、描き始めの頃よりは色味が落ちるので注意。(紙に酸性剤みたいなものが使われていて、それで中和している…?)
【↓緑ではあるがかなり濃いので、10倍に希釈した。(20mlのBTB溶液に180mlの水を加えた)】
【↓希釈したBTB溶液を使用して紙を染色】
【↓絵を描く時は標準液使用量は極小量で済む。】
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※都留文科大学理科教育の一環