密度の違いを見てみよう!

今回は密度の違いを視覚的に確認できる演示実験を行いました。

 

動画

youtu.be

 

・準備物

プラカップ 4個、砂糖 15g、食紅、セロハン、水

 

・操作手順

  1. 2つのプラカップに砂糖を15g入れる。
  2. 砂糖入りカップの内1つと、何も入っていないプラカップに水を半分ほど入れ、同じ色で着色する。
  3. 先ほどとは違う残りのカップ2つに水を半分ほど入れ、先ほどとは違う色を使いつつ、同じ色で着色する。
  4. 全てのカップに水を溢れる寸前まで注ぐ。
  5. 砂糖水入りカップの上に水のカップをセロハンを用いて乗せる。一方、水入りのカップの上に砂糖水入りカップをセロハンを用いて乗せる。
  6. セロハンを引き抜き、様子を観察する。

 

砂糖を溶かした水溶液は密度が大きい。密度の大きい水溶液が入っているカップを上にすると、水溶液が下方に移動して混ざってしまう。一方、密度が小さい水溶液が入っているカップを上にすると、水溶液はすぐに混ざるといったことは無い。濃度が違う場合でも同様の結果が得られる。

密度が高い砂糖水は重いので、上に乗せた場合はすぐに混ざる。一方砂糖水を下に設置した場合はすぐには溶液が混ざらない。(熱運動によって後々混ざる。)ドライアイスを用いた実験で、二酸化炭素の上に浮くシャボンと同じイメージである。

 

アイスコーヒーに入れた氷が溶けてできた水は、簡単にはコーヒーと混ざりあうことは無く水の層ができるのと同じ原理である。しかし、溶液の温度が高まると次第に混ざり合う。密度が違うとすぐに混ざらないことを利用して、カラフルな層を作ることも可能である。

 

食紅溶液を水に滴下した場合等、色素が次第に広がっていき、最終的には均一な色水となる。これは、拡散という現象である。拡散とは、水に溶けた物質(粒子)が自由に動き回り、溶液の隅々にまで行き渡ろうとするものである。また、温度に応じた粒子の動きを熱運動という。溶液の温度が高いと拡散の速度が大きくなるのは、激しい熱運動をする粒子の割合が増加するからである。溶液を温める方が、物が溶けやすくなるということは生活の中で体感できるだろう。

 

食塩の溶けている水に、別の水に調整した色素を混ぜようとすると、拡散の速度がかなり低下する。これは、塩化ナトリウムなどのイオン性の結晶が水に溶けて安定した水和イオンを形成しているためである。例えば、正電荷を持つナトリウムイオンの場合であれば、極性分子である水分子の負に分極した部分(酸素原子側)を引きつけるため、一定量の水分子が束縛される。そのため、色素の拡散に利用できる水量が相対的に減少し、その速度が低下すると考えられる。

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都留文科大学理科教育の一環

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