一瞬で色が変化! 『時計反応』

今回は、複雑な反応である時計反応について工夫を凝らして実験してみた。

 

動画


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仕組みとしては、亜硫酸水素イオン(HSO₃⁻)がヨウ素イオン(IO₃⁻)を還元してヨウ化物イオン(I⁻)が生成。同時に反応していないヨウ素イオンがヨウ化物イオンを酸化してヨウ素(I₂)を生成する。生成したヨウ素がデンプンと反応すると思いきや、残る亜硫酸水素イオンがヨウ素を還元してしまう反応が起こる。亜硫酸水素イオンが全て消費されることでヨウ素デンプン反応が見られるが、亜硫酸水素イオンが消費されるまでの時間によって色が変化するまでの時間が変化するといったものである。以下に反応式を示す。

 

IO₃⁻ + 3HSO₃⁻ + → I⁻ + 3SO₄²⁻ + 3H⁺・・・①

 

5I⁻ + IO₃⁻ + 6H⁺ → 3I₂ + 3H₂O・・・②

 

I₂ + HSO₃⁻ + H₂O → 2I⁻ + SO₄⁻ + 3H⁺・・・③ (ヨウ素が亜硫酸水素イオンによって還元され分解されている反応)

 

反応速度は、v = k[HSO3-]

 

式①が亜硫酸水素イオンがある限り進行し、亜硫酸水素イオンが消費されることで式②が進行してヨウ素が発生し、色が変化する。(I⁻は無色) 【※振動反応】このような反応の様子・段階を、律速段階と呼ぶ。

つまり、亜硫酸水素イオンの濃度や分量が、変化までの時間を決めるカギとなる。亜硫酸水素イオン濃度と変化までの時間の逆数を取ると綺麗なグラフになる。ちなみにチオ硫酸ナトリウムなどを加えると、再び還元が起こり溶液の色が無色に変化する。

 

今回時計に見立てて実験をした分量は、

A液(デンプン液、亜硫酸水素ナトリウム液)・・・10mlずつで混合して20mlに

B液(ヨウ素カリウム)・・・20ml

 

12時は希釈無しの溶液。そこを起点に1時にはカップに入ったデンプン溶液に水を4ml、2時には水を8ml…と加えて希釈していく。

(※正確に測定しないと上手くいかない)

 

後半の実験は、初めはAB両方の液を40ml、水を120ml。(もわもわと変化)

AB液60ml、水80mlを次に行った。

 

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都留文科大学理科教育の一環

 

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