画期的!新・炎色反応

今回は定番の実験、炎色反応の新たな方法を紹介します。

 

動画


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炎色反応とは、金属やそれを含む物質を高温状態にさらすことで、特定の光を発するもののことをさす。加熱することで熱エネルギーを得た金属が励起状態になり、基底状態へ戻る際に放出される光エネルギーの波長によって色が異なる。

金属を含む溶液を白金線につけて加熱して観察といった手もあるが、今回は綿棒とエタノールを使った方法を紹介する。

先ずは綿棒の先端にエタノールをつけ、そこにシャーレに出しておいた金属を付着させ、粘土で足場を作ったところにさして立てるのみ。後はライターなどで着火すれば観察が可能である。安価な綿棒と粘土で複数の炎色反応を観察できるようにしてあるが、綿棒の素材のパルプに炎色を呈する複数の金属が含まれていることには注意しておく必要がある。(あくまで厳密にいえばの話。念頭には入れておく)

動画内で使用したものは、

紫:K(カリウム) 一番右

黄緑:Ba(バリウム) 右

緑:Cu(銅) 中央

黄:Na(ナトリウム) 左

赤:Li(リチウム) 一番左

 

動画後半で熱した銅線に消しゴムをつけ、それを加熱すると緑色の炎が見られるのは、消しゴム内のClが関係している。銅線を加熱し酸化銅にした後、消しゴムに触れさせることで結合のしやすさから塩化銅(CuCl₂)が生成される。それを加熱しているので色のついた炎が観察できる。

炎色反応は気体状の原子にまで加熱されなくてはいけないが、融点が高い場合は難しい。(銅の融点は1085℃、沸点は2562℃)そのため銅を加熱してClを含む消しゴムに触れさせ塩化銅(CuCl₂)にすることで、融点が低くなり、イオン結晶が熱により解離し、原子化しやすくなる。そのため、炎色反応で塩化物が多く使用される。【バイルシュタイン反応がまさにそれである】

 

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【炎色反応関連動画】


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