今回は石鹸を作ってみました。
動画
・準備物
液体せっけん水(100均製液体せっけん 15g、水 10gを100mlビーカーに入れる)、ステンレス皿、温度計、グリセリン 20g(50mlビーカーに入れる)、タマリンドガム 0.6g、無水エタノール 2.0ml、割りばし、シリコン型、ラップ、爪楊枝、食紅
・操作
- ステンレス皿に水を入れ、温度計を使って65~70℃まで加熱する。そしてその中に液体せっけん入りビーカーとグリセリン入りビーカーを入れて保温しておく。
- 保温中にタマリンドガムとエタノールを混ぜ合わせて割りばし(割って一本だけ使用)を使ってかき混ぜる。
- 保温した液体せっけんをタマリンドガムに注ぎ、爪楊枝を使って食紅で着色する。その後、泡が立たないように静かにかき混ぜる。
- 保温してあるグリセリンに先ほど作った着色済みタマリンドガムを注ぎ入れる。
- 泡が立たないように軽くかき混ぜ、2分間保温する。(※温度確認)
- 全て混ぜ合わせた液をもう一つの割りばしを使ってシリコン型に流し込み、ラップをかけて冷ます。時間がかかるので粗熱を取ってから冷蔵(凍)庫で冷ますのも可。
・留意点
- 保温の温度は65~70℃をキープする。作業中に温度が下がるので逐一確認して加熱するとよい。
- 保温してある溶液を均一に温めるために時折揺らしてかき混ぜるとよい。
- 保温してある液体は熱いので、注ぐ操作の際は火傷に気を付ける。
通常の石鹸とは違い、スライムに近いプルプルとした触感である。石鹸の製造法は脂肪酸エステルをアルカリ(塩基)で『ケン化』し、生成する脂肪酸アルカリ塩を固める方法が一般的である。しかしその際にアルカリで強塩基の水酸化ナトリウムを使うことがあるので危険性が高い。
今回は危険性の低いもので作成してる。原理としては、液体せっけんにタマリンドという豆類から得られる増粘成分(タマリンドガム)を加えて加熱すると、多糖類を構成する分子鎖の間に十分に水分とせっけんが入り込む。そのまま冷却するとタマリンドガムの成分の流動性が失われ、せっけんと水で膨潤したままゲル化する。これは、不要の油を固める油処理剤の働きと似ている。グリセリンは水によく馴染み、固化する際のせっけん成分が濁るのを防ぐ透明化剤の役割を果たしているが、グラニュー糖でも代用が可能である。
せっけんはコロイド作成とその塩析を利用したものである。作成する際に好きな香料を加えると、良い香りの石鹸が作成できるであろう。
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※都留文科大学理科教育の一環