缶が斜めに立つ…?! ~重心の世界~

今回は缶を使って不思議な現象を試してみました。

 

動画

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・準備物

空き缶(今回は350ml)、水、雑巾

 

・操作

  1. 空き缶の3分の1まで水を入れる。
  2. バランスを取るように斜めに立てる。(※水の量次第では缶が倒れて水が出てしまうので、雑巾を必ず用意しておく)

空き缶を机に立てると、重力と垂直抗力が一直線上にあり、モーメントが釣り合っている。そのため缶は回転せずに倒れることもない。(中身が有る無しに関わらず)

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しかし缶を傾けると重心と垂直抗力が一直線上からずれてしまい、重力が缶を倒す力のモーメントを持つため、缶は倒れてしまう。(力のモーメントは、作用点からの距離×力)つまり、缶を立たせるには、図の重心、重力の線を垂直抗力と一直線上に重なる様に動かせれば釣り合って立つと言える。

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そこで水を入れることによって重心の位置が移動する。(水の重さが加わるため。)そうすることで垂直抗力と重心が一直線上に来るので、バランスが取れて斜めでも立てることが出来る。この力のモーメントのつり合いは、やじろべえなどにも生かされている。(重心とは、重力が物体に働く合力の作用点。物体の各質点に働く重力が重心に集まっていると考えられる。その1点を支えれば、その物体を支えることが出来る。)

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ペットボトルでも出来ると聞いたが、試しても上手くいかなかった。缶のように底が斜めであるものの方が簡単に斜めに立てることができた。

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