ジャイロ効果を体験してみよう! 原理や仕組み解説編 ~こまの歳差運動~
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こまは回転するほどバランスよく立つことが出来る。しかし、回転していない状態で立たせるのは中々難しい。また、回転していれば、軸を斜めに倒しても倒れることは無く、軸が首を振るように円を描く運動を行う。これを、歳差運動(自転している物体の回転軸が、円を描くように振れる現象)と呼ぶ。歳差運動とこまの安定の仕組みについて解説していこうと思う。
こまの回転はベクトルで表すとこうなる。(あくまで回転を分かりやすく示しただけで、特別な力がかかっているわけではない。)
【L=角運動量、x=半径、P=運動量】
ここでこまが倒れようとする力がかかるとすると、下図のようになる。ここで、こまが重力によって回転させられるとすると、それをベクトルで示すと青矢印のようになる。(外積)
こまの下軸を軸にして、こま全体が重力によって回転させられるイメージ。
ここで、角運動量のベクトルと合成してみると、軸が傾いて倒れる向きではなく、垂直方向にずれるのみとなる。そのため、軸は振れるものの、こまが倒れることはない。回転力が落ちてくると、重力によるベクトルの力の方が優位になり、軸は大きく首を振ることになり、最終的に倒れる。
また、慣性を用いた考え方もある。軸を傾けると、4点(a、b、c、d)の内、aとcが運動の向きが水平方向から変わってしまう。そうなると、慣性の法則から元の水平の運動に、元の運動方向を保とうとする。そうなると、aの部分は上に上がるように、cの部分は下に下がるように動いて元の運動方向になろうとする。そうなると全体は図の奥側に傾くような形になる。これが繰り返されることで軸が首を振るのである。これをジャイロ効果という。ちなみに歳差運動は、地球や惑星の運動から来ているとか。
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※都留文科大学理科教育の一環