【概要】
表面張力の働きを視覚的に理解するとともに、界面活性剤の働きを学ぶ。
動画
準備物
試験管(口径が小さいもの)、スタンド、ろ紙(もしくは下敷き等の水がしみないものがやりやすい)、ビーカー 2つ、着色料、水、つまようじ、洗剤
(※確実に成功する方法:目の細かいガーゼ)
操作手順
- 水を着色料で着色する。その後、試験管に水を注ぐ。
- スタンドを用意し、試験管をセットする下にビーカーを置く。
- ろ紙で蓋をしながら試験管を逆さにし、スタンドに取り付ける。
- ろ紙をそっと引き抜き、様子を観察する。
- つまようじで水面をつついてみる。その後、洗剤をつけてから水面をつついて違いを観察する。
留意点
- 蓋は水がしみないものが良い。ろ紙を濡らさないように手早く操作を行うことがコツ。
- 口径が小さいほど成功しやすいため、ちいさな試験管がやりやすい。
- 目の細かいガーゼをピンと張って取り付ければ、コップなどの口径が大きいものでも可能。
解説
水の引っ張り合う力を表面張力という。水は特に表面張力が強く、エネルギー的に安定した球体になろうとする。水が試験管の口を通ろうとすると、その境界面で局面となり表面張力が働いて落ちようとする力に拮抗する。さらに、水には大気圧がかかっているが、それが水の重みに逆らう向きにかかることでつり合いを保つことができる。また、口径が小さい(ガーゼなどで網目を小さく細かくする)ほど表面張力に関わる面積が広くなる(面積が小さいほど球になりやすくエネルギー的に低い状態なので安定的)ので、力の影響が大きくなり水は落ちにくくなる。
しかし、そこに界面活性剤が加わると、水の界面に洗剤分子が並び、水が引き合う力が弱まる。疎水基を持つ分子が水の結束を緩めるため、結果水が落ちてしまう。
水の表面張力は72.8【mN/m】(at 20℃)なので、これを元に計算すれば、入っている水の重さを計算できるかもしれない。
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※都留文科大学理科教育の一環