生分解性プラスチックを牛乳から作る

生分解性プラスチックを作ってみました。

 

【実際に出来たプラスチック】

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・準備物

牛乳(生乳100%のもの使用)、レモン、シリコン型(クッキー方が望ましい)、キッチンペーパー、ガーゼ、ビーカー、攪拌棒、軍手、皿、アクリル絵の具(ほとんど水では溶かない)、筆、蛍光塗料(どちらでも)

 

・操作手順

  1. 牛乳をゆっくりと加熱しつつ、レモン汁を数回にわたって加えながらかき混ぜる。
  2. 固形物と液体に分離したら、ビーカーにガーゼを取り付け、固形物をこしとる。
  3. 水でよく洗い、熱い固形物を暫く冷ました後、ガーゼで水気を絞る。その後、キッチンペーパーでさらに水気をとる。(※蛍光塗料を使う際は、この水気をとった固形物に蛍光塗料を混ぜ込む)
  4. シリコン型に出来た固形物を詰めて形を整えた後、皿に押し出す。その際水分が出た場合はキッチンペーパーで吸い取る。その後、様子を見ながら1分ずつ加熱をし、固まっているかを確認する。(※大変に熱いので注意。軍手を使用するとよい)
  5. 固まったら電子レンジから取り出し、少し冷ます。その後アクリル絵の具で着色する。(※着色をしないバージョンもあるとよい)

原理

 牛乳からでたものはカゼインであり、レモンを加えるのは塩析を早めるためである。

 

詳しい解説はこちらの記事を参照

vcpteam.hatenablog.com

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 では、なぜこれがプラスチックになるのか。カゼイン(タンパク質)は、初めは粘土のように柔らかいが、加熱すると固くなる。これは、含まれていた水分が抜け、残ったカゼイン同士が強く結びつく『重合』が起こるために固まるのである。

 牛乳には様々な種類があるが、使う牛乳によってプラスチックの出来は大きく変わる可能性がある。いつか試してみたい…。また、このプラスチックは生分解性(微生物によって分解されるもの)なので、土に埋めて日ごとに経過を観察してみるとよい。石油から作られるプラスチックに変わるものとして開発が進んでいるそうだが、生分解性を持つために海の汚染等環境への負荷削減に貢献できるとして期待されている。しかし、生分解性といっても分解される条件は、材料によって異なることには注意。また、今回のプラスチックは牛乳から作っているのでカビの心配もあるが…

 

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