コアンダ効果を体験してみよう!
今回はドライヤーを使ってコアンダ効果を体験してみました。
目次
動画
①ピンポン玉実験
①準備物
ピンポン玉、ドライヤー、トイレットペーパーの筒、ガムテープ
①操作手順
- ドライヤーの送風口にトイレットペーパーの芯を取り付け、空気が筒からのみ出るように、筒の固定と、筒以外の送風口を塞ぐためにガムテープを使う。
- ドライヤーを起動し、筒から出る風にピンポン玉をそっと筒の口の上に乗せてみる。(※通気口(空気を取り込む口)を塞がないように注意。)
- 空中にピンポン玉が浮いている状態でドライヤーをだんだん斜めに傾けていき、様子を観察する。
①留意点
- 長時間の使用は避ける。ガムテープで送風口を小さくするために塞いでいるので、ドライヤーの故障につながる可能性がある。
- トイレットペーパーの芯が長すぎるために浮かない場合もあるので、その場合は芯の長さを短く調節するとよい。
- 100均のハンディファンと風船(小)でも再現可能。電源要らずで有線での混雑が無いのが利点。
②発泡スチロール皿UFO
②準備物
発泡スチロール皿(お椀・どんぶり型でそこが丸くなっているようなもの)、ドライヤー、テープ、マーカー
②操作手順
- ドライヤーを起動し、発泡スチロール皿をそっと送風口の上に乗せてみる。
- 発泡スチロール皿を2つ用意し、上部同士を被せてテープで固定し、球体を作る。そこに、マーカーで好きなように絵をかく。
- 絵をかきおわったら、ドライヤーを起動し、そっと送風口の上に乗せてみる。また、ドライヤーを斜めにしてみたり、ドライヤーと発泡スチロール皿の間に一瞬手を入れてみたりして、挙動が変化するか試してみる。
②留意点
- ドライヤーによっては風力が足りずに発泡スチロール皿が浮かない可能性がある。また、使用するドライヤーは、送風口が細くなっているものよりも円形のものの方が安定すると思われる。しかし、送風口が細くなっている(送風口が横長のものを含む)ものでのトライは行っていないため、確定的とは言えない。
③わっか風船大回転
③準備物
風船(6.3インチ、8フラット) 6個、ガムテープ、ドライヤー、マーカー、ラップの芯(棒であればなんでもよい)
③操作手順
- 風船を中程度膨らませる(空気をいっぱいに入れなくてよい)。その後、ガムテープを丸めて風船の横中央当たりに取り付け、別の風船とくっつける。この際、色配置を考えること。(※この際、風船が上下左右にずれないように取り付けること。ずれがあると安定性が低下する。)
- 円形に6個の風船をくっつけたら、マーカーで風船に絵をかく。
- ラップの芯を風船の輪の中央に通し、そのままドライヤーの風を当てて風船の輪を回転させる。
- 回転したらラップの芯を風船の輪の回転を止めないように素早く引き抜き、その後の風船の様子を観察する。(※ドライヤーをその場から動かさなくても風船は自身で安定する位置を見つける)
③留意点
- 風船を円形に取り付ける際、ガムテープを用いているので、貼り直しが必要になった際は慎重に行う。無理にはがすと風船が破裂するため、あらかじめ予備を用意しておくか、風船の空いている面に再びガムテープを貼るかといった対策を行うとよい。
- 棒を引き抜く際は、風船に引っかからないように取り出すとよい。引っかかると挙動が不安定になる可能性がある。
原理
空気を送ると物体が落ちずにその場に留まる。落下せずに止まって浮いているなら『軽いから』と言えるが、回転しながらも落ちないのはなぜなのか。これには、コアンダ効果が関係している。
コアンダ効果とは、空気や水などの流体の噴流が壁に沿って流れる現象。空気の流れが風船や器の壁に沿って流れると、普通の流れから曲げられていると言える。そうなると、流れに垂直な力である揚力が作用する。この力と重力 (と空気抵抗も) が釣り合うことでバランスが取れて浮いていることが出来る。また、風船やピンポン玉がその場に留まるのは、流体による回転の他、空気の流れが曲がることで内側に力がかかり、その位置からずれないようにしているとも考えられる。
風船の輪の回転も上記の作用が働いてはいるが、それと空気の流れが風船に当たることで輪が回転している。 また、時折送風口を狭めているが、これは空気の流れを早くする目的である。ペットボトルの底をきって芯の変わりにすることも出来るそうだが、ドライヤーの熱による変形も考えられるので今回は使用しなかった。
使う送風機を変えると(エアーダスター等口が小さく強い空気の噴流が出せるもの)、ウインナーやドライバー(持ち手部分が丸くなっているもの)も浮かせることが出来るらしい…
参考記事
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※都留文科大学理科教育の一環