今回は砂糖と重曹で面白い実験をしてみました。
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【※エタノールは引火性が高いので、火を点ける際には近くに置かないこと。また、燃焼中にエタノールの追加を絶対に行わないこと。安易に行わない。】
・準備物
粉砂糖 6g、重曹 1.5g(4:1の割合)、無水エタノール 10ml、片栗粉 20g (器に合わせて底がしっかり隠れる程度の量。目の細かい砂などでもよい。ワコーゲルを使ったバージョンでも可能)、ライター、紙コップ、割りばし、アルミホイルで作った器(金属製の容器を用いることが望ましい)、金網、ベニヤ板
・操作手順
- 紙コップに粉砂糖6g、重曹1.5gを入れて、割りばしでよくかき混ぜる。
- アルミホイルで容器を作る。そして、ベニヤ板の上に置いた金網の上に容器をセットする。
- 容器に片栗粉を軽く敷き詰め、ある程度平らにする。
- 無水エタノールを下地の片栗粉全体にしみ込むように、10mlしみ込ませる。
- エタノールの円の中央に合成した粉を軽く山になるように盛り付ける。(円の直径よりも、山の直径は小さくなるように盛り付けること。あまり高くならないように軽く高さを整える。)
- ライターで着火し、様子を観察する。
【点火前の状態図】
(※この図よりもエタノールの円部分が、砂糖等の粉で埋まる可能性有。然し高さはあまり出さないことかつ、エタノールの円を砂糖等の粉で覆い隠さないように気をつけること)
砂糖でも可能であるが、成長スピードが速い粉砂糖を使用するのがオススメである。
粉砂糖はコーンスターチの添加がないものと、あるものをそれぞれ使用した。体感としてはコーンスターチが添加されているものの方が長く伸びた感覚があったが、純粋な粉砂糖のみのものも伸びた。手に入りやすさも添加された粉砂糖の方が優れているように感じるのでオススメである。(※今回はセリアの粉砂糖を2種類購入して検証した)
前回は粉砂糖12g、重曹3gで行ったが、今回もチャレンジしてみた結果伸びることが観測された。しかし、エタノールの円を大きくしないといけないので、容器は更に大きく、エタノールの量も増やすこととなった。(※15ml使用)そのため、〔粉砂糖:重曹〕→4:1の比率を守ればどんな量でも可能と思われるが、エタノールの使用量の増加、エタノールの円の拡大に伴い容器や下地の量を増加させなくてはいけない。
・留意点
- 無水エタノールは引火しやすいので、火を点ける前に必ず遠ざけたり片付けてしまうこと。
- 燃焼途中にエタノールを追加することは絶対にしないこと。
- 廃棄する際は、排水溝が詰まらないように留意しつつ廃棄すること。
白い粉に火をつけると、たくさんの黒い点が現れ、そこから細い枝のような黒い棒が伸びてくる。成長のスピードは加速し、複数の枝が重なりあう。最終的に太く大きな幹に成長する。伸びながら少しずつねじれて、らせん状の構造が見られる。
エタノールの燃焼熱によって、次の3つの変化が起こると考えられる。
これら3つの変化がほぼ同時進行し、関与する物質が尽きるまで反応が継続していく。特に2.は、2NaHCO3 → Na2CO3 + H2O + CO2 としてよく知られていて、溶けた砂糖が発泡により膨らむ点は、カルメ焼きのメカニズムと似ている。
できあがった黒い物体だが、触ってみると意外にふかふかして軽い。香ばしい匂いもするが、あくまで炭素の単体なのでカルメ焼きのようにおやつにはならない。
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※都留文科大学理科教育の一環