シュウ酸ビスによる化学発光

今回はシュウ酸ビスを用いた化学発光を実験してみました。

 

動画(※動画は都留文科大学化学実験Ⅰの一部)

youtu.be

 

・準備物

シュウ酸ビス 0.1g、ローダミンB 極少量、混合液(フタル酸ジメチル:2-メチル-1-プロパノール:過酸化水素=16:4:1) 4ml、お湯 約100ml、200mlビーカー、5ml駒込ピペット、ミクロスパーティル、試験管

 

・操作手順

  1. 乾いた試験管にシュウ酸ビス0.1gを入れる。
  2. ローダミンBを極少量、ミクロスパーティルを用いて入れる。(※入れ過ぎると発光が観察しにくい。ミクロスパーティルをローダミン入りの瓶に入れて、付着したローダミンBを入れる。入れる量が少しでも多いとピンク色になる)
  3. 混合液を4ml、駒込ピペットを用いて試験管に入れる。
  4. ビーカーにお湯を100ml注いでおき、試験管を入れて揺らしながら温めて様子を観察する。

 

・留意点

  • ローダミンB使用量は極少量でよい。入れ過ぎには注意。今回は入れ過ぎた為、暗がりでも赤い発光が見られた。然し、本来は明るい時は溶液は赤く見えるが、暗がりでは青っぽく発光して見える事が目的(動画の最後の方が成功例)。

 

原理

 一般に発光スティックとして知られているもの。工業的に生産されるシュウ酸ビスという物質の反応が利用されている。シュウ酸ビスは、過酸化水素によって活性中間体をつくり、この中間体がさらにペレリンのような別の蛍光物質を活性化、励起状態に引き上げると考えられている。それが基底状態に戻る際に余剰なエネルギーによって発光する。

より詳しい解説はこちら→化学発光 | らくらく理科教室 (sciyoji.site)

 

蛍光と化学発光について

蛍光

①物理発光(一般的では言わない…?)、②エネルギーを与えると光り、消耗が少ない、③可逆性がある(UVは普段見えないが、波長を変化させれば観察が可能になる。蛍光灯は、紫外線が当たった発光物質が可視光として発光する)

 

化学発光

①エネルギーを与えなくても光り、別物質になる、②別物質になるので不可逆性 【A → B + 光(E) A:反応前の物質、B:反応後の物質】

 

発光関連で...

 化学発光にルミノール反応があるが、実はカブやダイコンでも発光が見られる。カブやダイコンにルミノール液を付着させると、特に外皮に近い方の発光が強くみられる。発光が見られるのは植物体に含まれる酵素(カタラーゼやペルオキシダーゼ)が過酸化物と反応することによる。また、外皮に近いところで光る理由として、過酸化物は生物にとって有害・有毒であるため、外皮付近で分解する自己防衛反応の一種ではないかと考えられている。

 日光下では10万倍速く酸化するとか…?また、傷口にオキシドールを使用した際に泡が出来るが、これもカブやダイコンと同じ防衛反応だと考えられる。

 

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