今回は定番のヨウ素の昇華について実験してみました。
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今回は混合物の分離(他には蒸留など)の実験で、昇華しやすいヨウ素とこの状態では何も変化がない塩化ナトリウムを混合させて昇華のしやすさにより分離している。
昇華とは、固体の物質が直接気体に、あるいは気体から固体に状態変化することである。(例としてはドライアイス)
緩やかに加熱をするとヨウ素が昇華し始め、紫の雲のようなものが見えてくる。しかし、冷却用に用意した丸底フラスコの底面に光る結晶が析出してくるのが観察でき、これがヨウ素の結晶である。塩化ナトリウムはこの条件では蒸発しないのでビーカー底に残り、混合物の分離が出来るというものである。
気体になりやすいヨウ素は分子結晶であり、分子間力(ファンデルワールス力)が働いている。一方塩化ナトリウムはイオン結晶である。分子間力は非常に結合力が水素結合等に比べて弱いので、すぐに分離し昇華してしまう。また、分子間力は分子量が大きくなれば大きくなり、融点や沸点が高くなる。
・注意
- 昇華したヨウ素の吸引を避けるために、十分な換気を行う。
- ビーカーと丸底フラスコとの隙間に濡らしたティッシュや紙をつけて厚めに封をする。(特にビーカーの注ぎ口)
- 実験終了後は濡れた布で結晶をふき取り、指定のゴミ袋にまとめて処分する。(屋内に放置は厳禁)
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※都留文科大学理科教育の一環
【結晶の様子と危険を示す様子】(安全を確保した上で行っています)