今回は、トマトを浮かせたり沈ませたりしてみました。
動画
オシャレな感じのショート動画
・準備物
ミニトマト（大きすぎると砂糖水でも沈む可能性あり）、グラス 2つ、グラニュー糖のシュガースティック 5g×5本（25g。ただし、グラニュー糖のシュガースティック以外でも、砂糖や塩で代用可）、水 500ml（250ml×2セット）、テグス、キッチンペーパー（ティッシュペーパーでも可）、攪拌棒
・操作手順
- 各グラスに水250mlを注ぎ、片方のグラスにグラニュー糖25gを入れて、粒が見えなくなるまで攪拌棒で優しく溶かす。
- ミニトマトのへたにテグスを2回ほど結びつけてほどけないようにしておく。（※1回結んだだけではすぐに外れてしまうので注意）
- どちらかの溶液にトマトを吊り下げて運び、テグスから手を放して様子を観察する。また、別の溶液にトマトを入れる際は、キッチンペーパーでトマトを拭いてから入れる。
・留意点
- トマトはあらかじめ洗浄しておく。そうすることで、溶液が濁らない。
- グラニュー糖を溶かして砂糖水を作る際は、こぼしても大丈夫なように下に新聞紙を敷くか、こぼしてもよい所で作るといった対策を行っておくとよい。
- 塩でも代用は可能だが、溶け残りが出る可能性がある。一方、砂糖は冷水でもよく溶けるので砂糖の使用を推奨する。しかし、砂糖を溶かすと体積が増えるので、溶液をこぼさないように注意すること。
原理
水には沈んだミニトマトだが、砂糖水では浮いた。何故なのかは、密度が関係している。砂糖を溶かした砂糖水は、加えた砂糖の分重さが増している。水の体積が、砂糖を溶かす前と後で変わらないとすると、密度が増加していることになる。そのため、重い溶液となった砂糖水よりも軽いものは浮いてしまうので、トマトは浮いてしまった。
今回使用したトマトの半径が約1.5㎝であったので、半径1.5㎝の球として扱うとトマトの体積は、
4/3・π・r³＝4/3・3.14・(1.5)³＝14.13㎝³ 【π：円周率。今回は3.14として扱う】
となる。
水の体積は砂糖を溶かしても250ml＝250㎝³とすると、砂糖水の密度は、
(250+25)/250＝1.1g/㎝³
となる。水の密度が約1.0g/㎝³なので、砂糖水のほうが重くなっていることが分かる他、トマトの密度が1.0<トマトの密度<1.1ということも予測がつく。体積は先ほど計算したので、トマトの重さは、
①トマトの密度が1.0g/㎝³の時、重さをXとして、「X＝1.0・14.13＝14.13g」
②トマトの密度が1.1g/㎝³の時、重さをYとして、「Y＝1.1・14.13＝15.543g」
となるので、使用したトマトの重さは14.13g<トマトの重さ<15.543gと予測ができる。しかし、実際には、砂糖を水に溶かすと、水分子の間に砂糖が入り込み体積が増えてしまう。体積の増加量は物質によって違うが(砂糖より塩の方が増加量は少ない。試すには、同じgの砂糖と塩を同じmlの水に溶かしてみるとよい)、実際の砂糖水の密度は1.1g/㎝³より小さくなると思われる。
余談だが、糖度の高い甘いトマトは重いため、水に沈むとか…トマトを買った際は試してみても良いかも。
【砂糖を溶かした水溶液が増加している様子】
密度に関する他の記事はこちら
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※都留文科大学理科教育の一環
【水の中にトマトを落とすと…】
【砂糖水の中にトマトを落とすと…】
