葉脈でカラフル銅しおり 銅の酸化被膜

今回は、葉脈と酸化被膜を付けた銅箔を用いてカラフルな銅しおりを作成した。

 

動画


葉脈でカラフル銅しおり

 

・準備物

葉脈、銅箔、銅箔を包む用の和紙やティッシュペーパー、カラーペン、割りばし、スプレーのり、ピンセット、カバーシール、はさみ、名前シール、ラミネーター、パウチ、パンチ、リボン、ホットプレート

 

・注意

火傷の可能性があるため、銅箔を加熱する際は注意すること。

(※軍手をしておくと安全だが、操作がしにくくなる)

 

のりが手につくので、近くに手をふく用の濡れ雑巾があるとよい。

 

ラミネーターは定期的な清掃がなければ故障してしまう可能性がある。連続かつ長期的な使用は避けるとよい。

 

・操作

1.葉脈にカラーペンで色を付ける

(※のりをつける際には、色を付けていない面につけること。色を付けた面を覚えておくとよいかも。葉脈を用意する際は、葉肉を溶かすために水酸化ナトリウムを加熱してその中に葉を入れる操作を行う。劇薬であるので、この方法で葉脈を用意する際は十分に注意をすること。葉脈の作り方葉脈標本の作り方 - VCPteam’s blog)

 

2.ホットプレートを用いて銅箔を加熱する。

(※加熱のし過ぎには注意。カラフルでなくなる可能性がある。また、熱風で動くことがあるので、注意すること)

 

3.用意した和紙やティッシュペーパーに銅箔を挟んで保存。作業の邪魔にならないようによけておく。

(※さらにその上に重りを乗せておけば、銅箔が飛ぶ心配がなくなる。)

 

4.ティッシュペーパーを下に敷きピンセットで葉脈を押さえながら、色のついていない面にスプレーのりでのりを付ける。噴射は1秒程度の極短い時間でよい。つけすぎ注意。

(※この時に手についたのりを濡れ雑巾で拭いておくと、次の作業時に銅箔が手につきにくくなる)

 

5.保存しておいた銅箔を、のりが付いた葉脈の面に張り付ける。その上からカバーシールを張り付ける。

(※静電気でカバーシールに銅箔が引き寄せられる場合あり。注意して貼り付けること)

 

6.葉脈の形に添って切り取る。裏返したとき隙間がある場合は、余った銅箔を張り付けて隙間を埋めると綺麗に仕上がる。

 

7.名前シールに好きなことを書いて、しおり内に入れるネームタグを作成する。

 

8.パウチ内にネームタグ、葉脈を好きなように配置する。その後ラミネーターにかける。

(※ラミネーターにかける際は、パウチの上下の向きに注意。間違えた場合、故障してしまう可能性あり)

 

9.リボンを通す箇所に穴をあけ、リボンを通して完成。

(※リボンの長さは15~20㎝程度がオススメ)

 

銅箔がカラフルになるのは、銅箔の表面に酸化被膜が生成されるからである。酸化被膜は金属表面が酸素と触れることで酸化し、生成されるいわば錆のようなものである。鉄が酸化して生成される赤錆もそうであるが、膜と呼べるほど金属の表面を緻密に覆うことがないため、酸化が進み腐食してしまう。酸化被膜がより緻密であるほど内部の金属が保護され、錆の防止に役立つ。建築資材のアルミサッシには酸化被膜があらかじめ施されており、錆の発生や腐食を防ぐようになっている。ステンレス合金も同じように酸化被膜を施されているため、長期使用が可能になっている。

この酸化被膜に光が当たることで、酸化被膜と銅表面で反射した光が互いに影響し合う干渉が起こり、特定波長の光が強まるが、酸化被膜の厚さによりそれが断続的に起こるため、虹色に輝いて見える。これは、シャボン液の膜の厚さによって強め合う光の波長が異なることからシャボン玉の縞模様が変化することと同様である。

 

【銅の酸化被膜を用いたレジンアクセサリー作り動画】


www.youtube.com

 

レジンアクセサリーは完全に熱が取れてから除光液(アセトン)で濡らして指で磨き、放置して乾かす。ティッシュで拭くと細かいゴミや傷がつくので曇ったようになってしまう。しっかり固めた後熱を完全に取ることが重要。

 

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都留文科大学理科教育の一環

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