チョコレートが虹色に輝く! ~テンパリングを用いて~

今回は、チョコレートを虹色に輝かせてみました。

 

動画

youtu.be

動画では、テンパリングでくちどけのよい美味しいチョコになるような操作も加えてい他、テンパリングをしない状態についても試してみた。

「以下記事引用」【独自に加筆修正あり】➡

science-memo.hatenablog.com

虹色のチョコレート【中3物理】

【概要】

分光シートの凹凸をチョコレートに写し、虹色のチョコを作成した。


【実験】

・準備物

分光シート、ブラックチョコレート、マグカップ、スプーン、センサー付き温度計、湯煎道具(鍋やフライパン等)、温度計、氷水


・操作手順(テンパリングver.)

1.マグカップにブラックチョコレート一枚分を割り入れる。(※細かく割り入れる方が早く溶ける)

2.鍋に火をかけ、水温が60度になったらチョコレートを湯煎する。

3.チョコレートの温度が50度を超えないようにセンサー付き温度計で温度を確認しながらチョコレートを溶かす。(※50度以上になると油分が分離してしまい上手く固まらなくなる他、やり直しが効かないので注意)

4.チョコレートが溶けきったら、マグカップを氷水に移しチョコレートの温度を26度まで下げる。

5.チョコレートの温度を31〜32度まで上げる。

6.分光シートにチョコレートを流す。(※分光シートは裏表があるため注意!虹色の光沢が良く見える面が、凹凸がある表面。この面にチョコレートを垂らす。表裏が分かるようにマークやシール等を付けておくとよい。)

7.粗熱をとり、冷蔵庫で30分ほど冷やす。(※粗熱をとらずに冷やすと、水滴が付着して失敗の可能性が高まる。)

8.分光シートからチョコレートを剥がす。(※手の熱が伝わらないように、分光シートを軽く曲げて、クッキングシート等に落とすイメージ)


・留意点

  • 取り出す時剥がすようにする。特にテンパリングを行ったチョコレートは手の熱で簡単に溶けるので、取り外しには注意。
  • ブラックチョコ推奨。色が黒いため、虹色の光沢が観察しやすい。
  • マグカップやスプーン、分光シートは充分に水気をとっておく。水分があるとチョコレートが固まりにくくなる。また、湯煎する際、加熱をし過ぎると、発生した水蒸気がマグカップ内に入ってしまうので、温度調整及び加熱のし過ぎに注意。

 

【説明】

1.虹色に光る原理

 分光シートに溶かしたチョコレートを乗せて固めることで凹凸がチョコレートに写りチョコレートが構造色となる。

 ブラックチョコレートを推奨するのは、チョコレートの色が暗い方が構造色を観察しやすいためである。テンパリングをしなくても虹色のチョコレートは作ることが出来る。しかし、テンパリングを行うと口溶けが大きく変わりチョコレートが美味しくなるため最終的に食べるのならばテンパリングをすることをおすすめする。

 

虹色に見える原理はこちらの記事も参考に➡

vcpteam.hatenablog.com

 

【追記】テンパリングの有無にかかわらず、虹色の光沢は観察できた(※然し完全にテンパリングと光沢の関係がないとは言えない。理由は後述)。テンパリングの手間を考えると、時間短縮の観点から、チョコレートを溶かしたらすぐに分光シートに流し込む作業を行うとよいと思われる。また、テンパリングを行わないことで油分が結晶化せずに上手く残り、光沢面の形成に関与している可能性がある。もしかすると、他の種類のチョコレートでも上手くいく可能性がある。また、分光シートの性能も大きく関係していることが判明した。1回目時の分光シートでは光沢が観察しづらかったが、新たな分光シートを使用すると、動画内のように綺麗な虹色の光沢が観察できた。そのため、分光シートの性能が光沢の良しあしに大きく関係すると言えそうである。仮にCDの保護面が剥がせたら、CDの光沢面を使用して、更に高光沢のチョコレートを作成することができるかも…→然し…テンパリングは繊細な作業の為、上手く狙った結晶構造になっていない可能性があるので、狂い無く完璧なテンパリングを行えれば、光沢があり虹色の輝きがとても綺麗に見えるチョコレートを作成可能かもしれない。この点については要追求。(パティシエさんのようなプロの方なら上手くいくかも…?)


2.テンパリング

 テンパリングとは温度調節法のことである。

チョコレートの主成分はカカオ脂(カカオバター)であり、温度が変化するとカカオ脂の結晶形が変化する。チョコレートの結晶形はI〜Ⅵ型まであるが、市販に販売されているチョコレートはⅤ型の結晶構造をしている。

 テンパリングによる結晶形の変化として、まず溶けたチョコレートをⅣ型の融点(約27℃)以下である25〜26℃まで温度を下げてⅣ型に結晶化させる。そこから、Ⅳ型の融点以上、Ⅴ型の融点(約33℃)以下である30℃程度まで温度を上げ、Ⅳ型の結晶の融解とⅤ型の結晶化を促す。そうすることでⅤ型の結晶形となり、口溶けの良いチョコレートとなる。

 

監督官をしていただいている先生のブログ(らくらく理科教室)はこちららくらく理科教室 (sciyoji.site)

 

先生のYouTubeチャンネルはこちらかららくらく科学実験 - YouTube

 

都留文科大学理科教育の一環

 

f:id:VCPteam:20220311014103p:image

f:id:VCPteam:20220311014244j:image
f:id:VCPteam:20220311014246j:image
f:id:VCPteam:20220311014109j:image
f:id:VCPteam:20220311014111j:image